セッション情報 一般演題

タイトル 78:

C型慢性肝炎患者におけるPEG-IFNα-2b、リバビリン併用療法の治療効果

演者 宮里 賢(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター)
共同演者 八橋 弘(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター), 福田 実可(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター), はい 成寛(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター), 小澤 栄介(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター), 上平 幸史(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター), 長岡 進矢(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター), 大畑 一幸(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター), 阿比留 正剛(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター), 小森 敦正(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター), 松本 武浩(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター), 大黒 学(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター), 石橋 大海(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター)
抄録 C型慢性肝炎患者におけるgenotype 1a/1bで高ウイルス量のいわゆる難治例に対してはPEG-IFNα-2bとリバビリン併用療法が認可され従来を上回る成績が報告されている。今回我々は当施設にて本治療を行った症例を対象に、治療成績及び治療効果に関与する因子を検討した。
対象)genotype 1bでHCV-RNA量100KIU/ml以上のC型慢性肝炎及び肝硬変患者92名。内訳は男性54名、女性38名で平均年齢が55.6歳。肝線維化はF0~2が49名、F3~4が43名。初回治療は43名で再治療が49名。
方法)治療開始後12週、24週におけるHCV-RNA定性検査にて治療効果を判定した。また、肝線維化、ウイルス量、年齢、体重、治療歴、HCV-core抗原、治療開始時のPEG-IFNα-2bとリバビリン量、12週時点でのリバビリン血中濃度などの背景因子が開始後12週と24週におけるHCV-RNAの陰性化に与える影響について解析を行なった。さらにHCV-core抗原の推移とHCV -RNAの陰性化との関連性について検討した。
結果)治療開始後12週、24週におけるHCV -RNAの陰性化は39%、55%であった。またHCV-RNAが初めて陰性化した時期は4週が4名、12週が32名、24週が12名であった。HCV-RNAの陰性化と背景因子との関連については、12週における陰性化群と陽性群では体重当りのPEG-IFNα-2bの開始量(μg/kg)の平均値で有意差がみられた(1.31 vs1.16、p=0.04)。その他の因子については2群間で有意差は認めなかった。HCV-core抗原とHCV-RNAの陰性化との関連については、治療開始後2週目にHCV-core抗原の値が開始前の1/100以下であれば80%の確率で12週目のHCV-RNAが陰性化した。一方で開始後2週目にHCV-core抗原の値が開始前の1/10以上の場合は87%の確率で24週目のHCV-RNAは陽性であった。
結論) genotype 1a/1b 高ウイルス量症例に対するPEG-IFNα-2bとリバビリン併用療法におけるHCV-RNAの陰性化率は治療開始後12週で39%、24週で55%であった。治療開始後12週までにHCV-RNAが陰性化した症例は12週陽性群に比較して開始時の体重当りのPEG-IFNα-2bの量が多く,初期投与量が充分であることがHCV-RNAの早期陰性化をもたらす可能性が考えられた。またHCV-core抗原の測定は治療開始後早期(2週目)での治療効果予測に有用であると考えられた。
索引用語 C型慢性肝炎, 治療