セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 62:拡大肝左葉切除術を施行した肝内胆管嚢胞腺癌の1例 |
演者 | 東條 伸平(公立学校共済組合九州中央病院 臨床研修医) |
共同演者 | 長谷川 博文(公立学校共済組合九州中央病院 外科), 梶谷 桂子(公立学校共済組合九州中央病院 外科), 中村 俊彦(公立学校共済組合九州中央病院 外科), 庄司 哲也(医療法人 貝塚病院), 住吉 康平(公立学校共済組合九州中央病院 外科), 斎藤 元吉(公立学校共済組合九州中央病院 外科), 定永 倫明(九州大学付属病院 第2外科), 北村 薫(公立学校共済組合九州中央病院 外科), 相島 慎一(医療法人 貝塚病院), 八尾 隆史(医療法人 貝塚病院), 北村 昌之(公立学校共済組合九州中央病院 外科) |
抄録 | 【症例】61歳、女性。主訴:全身倦怠感。現病歴:全身倦怠感を自覚し近医受診した際、黄疸を指摘され、総ビリルビン:8.0mg/dlであった。精査のため腹部造影CT、MRCP施行したところ、肝S4に多房性の腫瘍を指摘され、肝内胆管嚢胞腺癌疑いにて当院紹介入院となった。【入院時現症】結膜:貧血、黄疸なし。腹部:腫瘤触れず。【入院時検査所見】血液検査:総ビリルビン:1.2mg/dl、CEA:1.6ng/ml、CA19-9:9.2U/ml、HCV抗体(-)、HBs抗原(-)、ICG(15分値):21.1%。腹部超音波検査:肝S4に径5cmの嚢胞性の腫瘍を認め、嚢胞内に突出する乳頭状に発育した充実性部分を認めた。両側肝内胆管の拡張を認めた。ERC:腫瘍による総肝管の圧排所見を認めた。嚢胞と総肝管には交通を認めなかった。腹部血管造影:左肝動脈を栄養血管とする腫瘍濃染像を認めた。【治療】肝内胆管嚢胞腺癌疑いにて、拡大肝左葉切除術、胆嚢摘出術、総胆管切除術、リンパ節郭清(#8)、胆道再建術(右肝管空腸吻合術)を施行した。術後合併症なく経過し、術後3年5ヶ月現在再発認めていない。【摘出標本】肉眼的所見:径50×60mmの嚢胞性腫瘍の内部に径25×22mmの乳頭状に発育する充実性腫瘍を認めた。嚢胞内に粘液を含み、左肝管に嚢胞性に拡がる腫瘍であった。病理学的所見:高異型度の腫瘍細胞が乳頭状に増殖しており、肝内胆管嚢胞腺癌と診断された。【まとめ】胆管嚢胞腺癌の治療は嚢胞を含んだ十分な肝切除及び、必要に応じたリンパ節郭清が推奨されている。治癒切除出来れば長期予後の得られている症例もあり、本症例のように、肝機能が許容されれば、積極的に外科的切除を考慮する必要があると考えられた。肝内胆管嚢胞腺癌について、文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 肝臓, 嚢胞性腫瘍 |