セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸-症例報告5
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タイトル |
消P-459:インフリキシマブ不耐例および2次不応例にアダリムマブを投与したクローン病の2例
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演者 |
菅原 かおり(国立仙台医療センター・消化器科) |
共同演者 |
高橋 広喜(国立仙台医療センター・消化器科), 杉村 美華子(国立仙台医療センター・消化器科), 岩渕 正広(国立仙台医療センター・消化器科), 真野 浩(国立仙台医療センター・消化器科), 鵜飼 克明(国立仙台医療センター・消化器科), 田所 慶一(国立仙台医療センター・消化器科) |
抄録 |
【はじめに】クローン病(CD)に対するインフリキシマブ(IFX)投与は発症早期より寛解導入治療に用いられるようになった。また、術後再発のリスクの高い患者に対して再発予防を目的にIFXを投与することが報告され適応症例は拡大している。最近われわれは投与時にinfusion reaction(IR)出現のため投与を継続できない不耐例と当初奏功したが効果消失により中止となった2次不応例に対しアダリムマブ(ADA)を導入した症例を2例経験したので報告する。【症例1】46歳、男性。S61年小腸型クローン病と診断された。H2年、H6年、H10年に狭窄のため腸切除術を施行された。H14年にIFX単回投与したが、IRのため継続投与ができなかった。H15年回盲部切除術を施行後はしばらくazathioprine(AZA)で寛解維持されていた。H22年吻合部の狭窄を認めたため内視鏡的狭窄拡張術を施行した。H23年1月中旬より、吻合部の狭窄ならびに出血を呈したため吻合部再切除術を施行した。今後もAZAのみでは再燃予防が困難と判断し、術後ADA投与を開始した。ADA投与においてはIRを認めることなく治療継続中である。【症例2】32歳、男性。H7年小腸大腸型クローン病と診断された。H11年回盲部・回腸部分切除術、回腸狭窄形成術を施行し、H19年結腸・小腸部分切除術を施行した。術後、再発予防を目的にAZAおよびIFXの計画維持投与を開始した。H21年腸閉塞、H22年下部消化管出血を認め保存的治療を施行した。H23年1月下旬、IFX18回目の投与2週間後に大量下血を認めた。CT検査ならびに血管造影検査を施行したところ、上行結腸の吻合部付近の回結腸動脈枝より造影剤の血管外漏出像を認めたため、止血目的に動脈塞栓術を施行した。以後、IFX効果不十分と判断し、ADA投与へ変更し現在まで再燃なく継続中である。【結論】IFX不耐や2次不応を呈したCD患者においてADAは有効であると思われた。 |
索引用語 |
クローン病, アダリムマブ |