セッション情報 一般演題

タイトル 114:

地域病院におけるFOLFOX療法の安全性について

演者 肱岡 範(上天草市立上天草総合病院内科)
共同演者 田浦 尚宏(上天草総合病院外科)
抄録 (目的)2005年4月より本邦でもオキサリプラチンが保険適応となり、進行・再発大腸癌に対して国際的標準治療のFOLFOX療法が可能となった。いわゆるへき地拠点病院と呼ばれる当院でも2005年7月よりFOLFOX4を開始しており、今回その安全性について検討した。(対象・方法)2005年7月~2006年3月までに当院にてFOLFOX4療法(l-OHP 85mg/m2/d1, l-LV:100mg/m2,急速5-FU:400mg/m2、持続5FU:600mg/m2/d1,2,q2w)を施行した進行・再発結腸癌6例を対象にした。入院での治療希望患者1例を除き5例に中心静脈ポートを挿入した。(結果)対象は6症例で平均年齢中央値は71.3(64-76)。性別は男性/女性4/2。PSは0/1/2が3/2/1、5例が再発で、主転移部位は、肝臓/肺/局所:3/2/1であった。前治療あり/なし2/4。投与回数の中央値8.2回(3-13)。治療継続/中止3/3(PD 2穿孔 1)。穿孔症例は原発巣ありの症例で1コース目の最中に発症し緊急手術にて腹腔内洗浄および人工肛門造設術を施行し、その後は肝動注化学療法(low dose FP)へ変更した。減量した症例は2例。減量理由は好中球減少で5Fuを減量した。75歳以上の2例は1コース目より80%量での投与にて開始した。 血液毒性はGrade3以上の好中球減少2例。非血液毒性はGrade2以上の末梢神経障害を4例に認めた。アレルギー反応を1例(10コース目;手指紅潮)に認めたが、抗アレルギー剤の前投与にて次コース以降は症状再現はなかった。抗腫瘍効果はCR0 PR2 SD3 PD0で奏効率2/5(40%)であった。(総括)FOLFOX療法は、高齢患者が多い地域病院においても比較的安全に行える治療法であり、積極的に導入していくべきであるが、原発巣残存の場合は抗腫瘍効果による穿孔の危険性もあり厳重な注意が必要であると思われた。
索引用語 FOLFOX, 大腸癌