セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 31:糖尿病外来における逆流性食道炎の診断方法の検討 |
演者 | 高橋 祐幸(大分大学医学部消化器内科) |
共同演者 | 清家 正隆(大分大学医学部消化器内科), 井上 恵(大分大学医学部消化器内科), 姫野 克郎(大分大学医学部消化器内科), 針 里栄(大分大学医学部消化器内科), 藤岡 利生(大分大学医学部消化器内科), 阿部 信行(内科阿部医院) |
抄録 | 【目的】近年逆流性食道炎患者数は増加傾向にある。一般的な逆流性食道炎の診断方法に関しては多数報告されているが、生活習慣病患者における逆流性食道炎に関してはあまり検討されていない。今回糖尿病患者において逆流性食道炎の診断方法である上部消化管内視鏡検査や問診票等緒検査を行い統計的検討を行ったので報告する。【対象と方法】糖尿病外来専門であるA病院における2005年1月から12月までの間に上部消化管内視鏡検査を受けた295名、男170例、女125例、平均年齢64.5歳を対象とした。また、このうち草野らによって考案されたFrequency Scale for the Symptoms of GERD問診票(以下FSSGと省略)を行い、回収できた89名についてさらに詳細に検討した。【成績】1.内視鏡的に逆流性食道炎が認められたのは295名中44例(14.9%)。ロサンゼルス分類(改)でGrade M:26例、Grade A:15例、Grade B:2例、Grade C:1例であった。2.FSSGの問診ができた89例(Grade M:9例、Grade A:7例、Grade B:1例、内視鏡的に正常:71例)のうち8点以上を認めたのは13例14.4%であった。3.89例を年齢、性別、BMI、HbA1c、罹病期間、CVR-R、C64(末梢神経障害の指標で5点以下は末梢神経障害ありと診断する)を逆流性食道炎の有無で単変量解析したが有意差はなかった。4.患者を4群(1群:CVR-R2%未満・C64 5点以下、2群: CVR-R2%未満・C64 6点以上、3群: CVR-R2%以上・C64 5点以下、4群: CVR-R2%以上・C64 6点以上)に分けて逆流性食道炎に対する影響についてFSSGと内視鏡所見(所見なし:1点、gradeM:2点、gradeA:3点、gradeB:4点とスコア化した)で分散解析したところ、1群と3群、3群と4群においてFSSGに有意差を認めた。【結論】今回の解析ではCVR-R値が正常で末梢神経障害のある患者にてFSSGが高値である傾向が認められた。糖尿病初期の合併症である自立神経障害のない末梢神経障害のある患者においてNERDを含めたスクリーニングの検査としてFSSGは有用であると思われた。 |
索引用語 | GERD, FSSG |