セッション情報 一般演題

タイトル 136:

当院における内視鏡的消化管異物除去術

演者 林田 裕希(熊本地域医療センター 内科)
共同演者 山下 啓史(熊本地域医療センター 内科), 陣内 克紀(熊本地域医療センター 内科), 吉田 元樹(熊本地域医療センター 内科), 清住 雄昭(熊本地域医療センター 内科), 木庭 郁朗(熊本地域医療センター 内科), 相良 勝郎(熊本地域医療センター 内科)
抄録 【目的】消化管異物は小児から高齢者まで幅広く認められ、内視鏡的異物除去術は消化器内視鏡医に課せられた緊急処置の1つである。消化管異物症例における、当院での特徴、問題点を検討した。【対象と方法】2000年1月から2006年3月までに、当院にて消化管異物除去のための内視鏡検査を行った84症例(のべ97施行回数)を対象とし、患者背景(年齢、基礎疾患)、異物の部位、異物の種類、合併症について検討した。【結果】年齢は1~97歳(年齢中央値65歳)、小児(0~19歳)3例、成人(20歳~)81例であった。男性48例、女性36例。部位は、咽喉頭3例、食道56例、胃22例、小腸1例、虫垂孔1例、不明1例で、食道では食道狭窄部17例、食道入口部23例、気管分岐部3例、その他13例であった。全症例84例のうち17例が通過障害を来たした患者で、うち13例に悪性腫瘍歴があった(有病/無病=4/9)。通過障害のある17例では、異物はすべて食塊(肉塊10/17例)であり、また55%(6/17例)が2回以上異物除去術を受けていた。通過障害のない67例では、その多く(81%)は誤飲によるものであり、PTP、魚骨、義歯が多かった。全症例の39%で軽度の合併症を認め、食道裂傷21例、出血・血腫13例、誤嚥性肺炎2例であった。内視鏡にて異物を確認できなかった症例を1例認めたが、腹部CTにて経過観察でき、異物除去のための外科手術を必要とする症例はなかった。【まとめ】当院での特徴として、患者背景を通過障害存在群と通過障害非存在群に大別でき、通過障害存在群では食餌指導を徹底させることが重要と考えられた。通過障害非存在群では、異物誤飲時または回収時の食道裂傷や出血・血腫が認められ、回収の更なる工夫が必要と考えられた。
索引用語 内視鏡的消化管異物除去術, 通過障害