セッション情報 | ワークショップ1 |
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タイトル | W-018:MDSを合併した十二指腸悪性リンパ腫の一例 |
演者 | 島田 展裕(財団法人 慈愛会 今村病院 消化器科) |
共同演者 | 大井 秀久(財団法人 慈愛会 今村病院 消化器科), 徳元 攻(財団法人 慈愛会 今村病院 消化器科), 堀 雅英(財団法人 慈愛会 今村病院 消化器科), 恵 浩一(財団法人 慈愛会 今村病院 外科), 衣裴 勝彦(財団法人 慈愛会 今村病院 外科), 大迫 保(財団法人 慈愛会 今村病院 外科), 帆北 修一(財団法人 慈愛会 今村病院 外科), 川崎 雄三(財団法人 慈愛会 今村病院 外科), 井上 大栄(財団法人 慈愛会 今村病院 血液内科), 久木田 稔正(財団法人 慈愛会 今村病院 血液内科), 松元 正(財団法人 慈愛会 今村病院 血液内科), 熊之細 透(錦江クリニック), 野村 秀洋(財団法人 慈愛会 今村病院 外科) |
抄録 | 症例は70歳代女性。主訴は胸やけ。既往歴は平成6年頃腰椎椎間板ヘルニア。平成13年に尋常性疣贅、骨髄異形成症候群(MDS)。現症は平成17年6月13日に胸やけを主訴に近医を受診し、上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部から上十二指腸角にかけて腫瘤を認め、生検で悪性リンパ腫が疑われ6月27日当院紹介入院となった。入院時検査所見成績はWBC 3300, RBC 209×104、Hb 6.7、MCV 102.4、Plt 11.5×104、LDH 334、Ca 8.4、CRP 0.1、便潜血(+)骨髄生検では巨核球数 22×15/mm3、骨髄芽球10.4%。上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部後壁から上十二指腸角に立ち上がりの急な隆起性病変がみられ表面に浅い潰瘍形成があり、管腔が狭窄していた。4週間後の再検で病変の形態に大きな変化はなかったが、管腔の狭窄が進んでいた。病理組織検査でdiffuse large B cell lymphomaだった。小腸透視では十二指腸球部から下行脚にかけて径1.5cmの不整形のバリウム斑を伴う径2cm前後の透亮像の集簇を認めた。PET検査で甲状腺右葉、十二指腸と縦隔下部に集積が認められた。大腸内視鏡検査では異常所見はなかった。以上よりMDSの芽球過剰性不応性貧血と診断された。化学療法によりMDSの増悪が考えられること、病変が単発であること、管腔の狭小化がみられることから8月9日胃幽門側から十二指腸部分切除術を施行。病理組織学的検査で腫瘍は1.2×2.2cmでdiffuse large B cell lymphoma(CD20陽性、CD79a陽性、Ki67陽性)だった。消化管原発の悪性リンパ腫の発生部位として最も多いのは胃であり、ついで小腸、大腸の順であるが十二指腸は稀である。今回我々が経験した症例に若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 悪性リンパ腫, 十二指腸 |