セッション情報 一般演題

タイトル 81:

ペグインターフェロンα2b+リバビリン併用療法中、虫垂炎を併発し4週間中断後再開し良好な経過のC型慢性肝炎の1例

演者 呉 建(霧島市立医師会医療センター 消化器内科)
共同演者 山崎 成博(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 水上 京子(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 福島 寛美(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 的場 康平(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 古園 巳俊(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 重田 浩一朗(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 藤崎 邦夫(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 二渡 久智(霧島市立医師会医療センター 外科), 本坊 健三(霧島市立医師会医療センター 外科)
抄録 ペグインターフェロンα2b(以下PegIFNα2b)+リバビリン(以下RBV)併用療法が認可され、特に1b型高ウィルス量のC型慢性肝炎の約半数に治癒が期待できる治療であり、多くの症例に使用されている。当院でも、1年間に1b型高ウィルス量の約50症例に同治療を行っているが、治療中に虫垂炎を併発したが、4週間中断後再開し良好な経過のC型慢性肝炎の1例を経験したので報告する。【症例】症例は48歳男性。1984年5月初診の約22年間経過観察中のC型慢性肝炎である。過去の治療歴として1992年に天然型インターフェロンα(nIFNα)による単独療法を行ったが再燃。その後、1b型高ウィルス量の診断にて2002年9月より2回目の治療としてIFNα2b+RBV併用療法を開始し4週目にHCV-RNA陰性化が得られ6ヶ月治療、さらに6ヶ月のIFNα2bによる単独療法を継続し1年で終了したが、終了1ヶ月後にはHCV-RNA再陽性化し治癒は得られなかった。今回3回目の治療として、2005年1月4日よりPegIFNα2b+RBV併用療法を開始した。治療直前の検査成績は、AST85、ALT178、白血球数3600、好中球数1447、Hb15.2g/dl、血小板数15.8万、HCV-RNA1200KIU/mlであった。体重79kgであり、PegIFNα2bは120μg週1回、RBVは800mg/日を投与開始した。治療開始2週目にはPegIFNα2bを減量したが、6週目にはHCV-RNA陰性化が得られ良好な経過であった。しかし29週目の7月26日、右下腹部痛の訴えがあり、白血球数5600、好中球数4750と増加、腹部超音波・CTスキャンなども併せて急性虫垂炎の診断で当院外科入院となった。手術適応と診断され、C型肝炎の治療を中断。同日虫垂切除術が行われた。病理所見ではカタル性虫垂炎と診断された。術後の経過は比較的良好であり、治療再開については、3回目の治療でもあり本人も完治への期待も強く再開を希望されたため、4週間中断後の8月23日より治療再開。再開直前のHCV-RNAは陰性であり、以後治療を継続し2005年12月27日終了。終了3ヶ月後まで観察しHCV-RNA持続陰性が得られ、経過も良好である。IFN治療中に手術適応となるような虫垂炎を併発するような症例は比較的稀と思われ、考察を加えて報告する。
索引用語 C型慢性肝炎, ペグインターフェロン+リバビリン併用療法