セッション情報 |
一般演題
|
タイトル |
70:肝門部胆管癌との鑑別を要した自己免疫性膵炎合併硬化性胆管炎の1例
|
演者 |
相馬 渉(大分大学) |
共同演者 |
兒玉 雅明(大分大学), 沖本 忠義(大分大学), 松成 修(大分大学), 高山 明子(大分大学), 簀戸 聖子(大分大学), 八坂 成暁(大分大学), 小野 雅美(大分大学), 大津 智(大分大学), 村上 和成(大分大学), 藤岡 利生(大分大学) |
抄録 |
症例は78歳、男性。主訴は心窩部痛、褐色尿。平成17年4月に心窩部痛、褐色尿を認め、近医での腹部超音波検査にて膵頭部の腫瘤性病変を指摘、膵頭部癌の疑いにて当院紹介となった。血液検査所見にて、T-Bil 1.20 mg/dl, D-Bil 0.58 mg/dl, AST 627.7 IU/l, ALT 579.8 IU/l, ALP 2329 IU/l, γGTP 298.1 IU/l, AMY 188 IU/l. IgG 1650 mg/dl, IgG4 230 mg/dlとIgG4の上昇を認めた。またERCPにおいて膵頭部膵管の狭細化を認め、自己免疫性膵炎と診断。ステロイドとしてプレドニン40 mg/dayにて開始、2週間後のERCPでは主膵管狭細の著明な改善を認めた。外来にてプレドニン5mg/dlまで減量したところ、肝胆道系酵素の上昇を認めた。造影CTにて肝門部胆管壁に沿って濃染像を認め、ERCPでは左右の肝管から三管合流部にかけて強い狭窄を認めた。CT所見と合わせ、硬化性胆管炎および肝門部胆管癌の鑑別を要したが、ブラッシング細胞診、胆汁細胞診にて陰性であった。プレドニンを30mg/dayに増量することにより狭窄部の速やかな改善を認めた。 自己免疫性膵炎は高率に硬化性胆管炎を合併することが知られている。純粋な原発性硬化性胆管炎とはステロイドが著効することなどからその性質が異なる。今回肝門部胆管癌との鑑別を要した自己免疫性膵炎合併硬化性胆管炎を経験したので文献的考察を交えて報告する。 |
索引用語 |
硬化性胆管炎, 自己免疫性膵炎 |