セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 167:いちじくの茶による薬剤性肝障害の一例 |
演者 | 白土 明美(宮崎医療センター病院内科) |
共同演者 | 佐々木 文郷(宮崎医療センター病院内科), 稲田 由紀子(宮崎医療センター病院内科), 坂元 秀杜(宮崎医療センター病院内科), 岩満 章浩(宮崎医療センター病院内科), 堀 剛(宮崎医療センター病院内科), 蓮池 悟(宮崎大学医学部附属病院第二内科), 永田 賢治(宮崎大学医学部附属病院第二内科), 宇都 浩文(宮崎大学医学部附属病院第二内科), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 【はじめに】近年、様々な健康食品への関心が高く、安全との認識があり、安易に広く多用されている。一方で、それらによる薬剤性肝障害の報告も増えている。今回、我々はいちじくの茶による薬剤性肝障害の一例を経験したので報告する。【症例】61歳男性。3年前より近医で糖尿病にて内服加療を受けていた。2005年9月頃より自宅のいちじくの木の葉を煎じて飲むようになった。その頃より全身倦怠感・食欲不振が出現した。黄疸を自覚するようになり、2005年11月29日前医を受診し、血液検査にてT-bil:14.6mg/dl、GOT/GPT:457/957IU/l、PT:52.8%と肝障害を指摘され、11月30日紹介入院となった。身体所見では、食思良好であったが、皮膚の黄染を認めた。血液検査では、T-bil:14.6 mg/dl GOT/GPT:318/785 IU/l、PT62%と肝障害を認め、HGF1.25 ng/mlと高値であった。原因検索については、A・B・C型肝炎ウイルスマーカーは陰性で、サイトメガロウイルス・EBウイルスも既感染パターンであり、抗核抗体・抗ミトコンドリア抗体も陰性で、PBC・AIHは否定的であった。腹部エコーでは、特記所見はなかった。病歴よりいちじくの茶による肝障害を疑い、いちじく茶を中止するように指示し、糖尿病薬は継続とした。食欲も良好であり、安静・補液にて経過観察とした。12月21日にはT-bil:3.2、GOT/GPT:79/119IU/l、PT:72%まで改善し退院。1月31日には全く正常化した。いちじくの葉に対するDLSTを提出したところ、陽性であり肝障害の原因として考えられた。【結語】いちじくの茶による薬剤性肝障害の一例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | いちじく, 薬剤性肝障害 |