セッション情報 一般演題

タイトル 105:

内視鏡による生検診断が困難であった肛門管低分化型腺癌の1例

演者 橋場 友子(済生会熊本病院 消化器病センター)
共同演者 上原 正義(済生会熊本病院 消化器病センター), 大島 茂樹(済生会熊本病院 外科センター), 江口 洋之(済生会熊本病院 消化器病センター), 藤本 貴久(済生会熊本病院 消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院 消化器病センター), 須古 博信(済生会熊本病院 消化器病センター), 神尾 多喜浩(済生会熊本病院 病理部), 川村 亮機(金森医院), 上野 直嗣(うえの胃腸科内科)
抄録 症例は72歳男性。2005年5月頃より排便時不快感と排便時出血を認めたため金森医院受診。直腸指診にて3時から6時方向に硬い腫瘤を触知したため当院紹介受診。大腸内視鏡検査では肛門縁近傍に発赤調で一部ひきつれを伴う粘膜下腫瘤様病変を認めた。生検の結果はGroup1であったがCT, MRIにて肛門管に30mm大の辺縁が造影される不整形の腫瘤として描出されたため、悪性腫瘍を強く疑い精査加療目的にて同年7月20日当院入院となった。病変は肛門縁に近く内視鏡による観察と生検が困難であったため、7月26日外科的に経肛門的腫瘍生検を施行した。結果はadenocarcionmaであり同病変に対して8月9日腹会陰式直腸切断術を施行した。切除病変は4.7×4.0 cmの大きさで粘膜下腫瘍様の形態を呈していた。病理診断結果は低分化型腺癌でありNo.251, 261リンパ節転移を認めた。病変の主座は恥骨直腸筋付着部上縁より肛側に存在しており肛門管癌直腸型と診断した。低分化型腺癌を呈する肛門管癌は比較的稀な疾患であり、文献的考察を含めてここに報告する。
索引用語 肛門管癌直腸型, 低分化型腺癌