セッション情報 ワークショップ1

タイトル W-009:

急性虫垂炎を契機に発見された成人腸回転異常症の1例

演者 伊藤 創太郎(国立病院機構 長崎医療センター 外科)
共同演者 宇賀 達也(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 阿南 健太郎(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 中田 哲夫(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 犬尾 浩之(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 谷口 堅(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 辻 孝(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 鬼塚 伸也(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 辻 博治(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 藤岡 ひかる(国立病院機構 長崎医療センター 外科), 宮下 光世(国立病院機構 長崎医療センター 外科)
抄録 症例は35歳、女性。心窩部不快感に続く下腹部痛を主訴に近医受診。鎮痛剤などの処置後一旦帰宅するも、症状増悪し再受診。急性腹症疑いにて当院救急外来紹介となった。理学的には下腹部正中を最強点とした腹部全体の圧痛および反跳痛、筋性防御を認めた。体温37.8℃、脈拍85/分。血液生化学上、WBC 20500/μl、4.mg/dl。腹部CT上、骨盤腔内正中に肥厚した虫垂と、中等量の液体貯留を認めた。また、全小腸が右方に、結腸が左方に偏在していた。異常より、急性虫垂炎による汎発性腹膜炎と診断し緊急手術を施行した。また、腸回転異常の合併が疑われた。【手術所見】下腹部正中切開にて開腹。腹腔内に膿性腹水を認め、創直下に盲腸を認めた。盲腸の下端に虫垂、回腸、盲腸が一塊となり膿瘍を形成していた。鈍的に剥離し、肥厚した虫垂を確認。虫垂切除術、腹腔ドレナージ術を行った。また術前CTの所見通り、全小腸は右側に、結腸は左側に偏在しており、触診上Treitz靭帯の形成はみられなかった。【術後経過】特に問題なく経過し術後9日目に退院した。成人腸回転異常症はまれな疾患であり、無症状で経過することが多く、他疾患診断時に偶然発見されることも多い。今回、急性虫垂炎を契機に発見された成人腸回転異常症の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 成人腸回転異常, 急性虫垂炎