セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 89:非B非C型慢性肝炎として治療されている経過中にHCV感染が明らかとなった1例 |
演者 | 熊谷 公太郎(宮崎大学 医学部 消化器・血液学講座) |
共同演者 | 宇都 浩文(宮崎大学 医学部 消化器・血液学講座), 楠元 寿典(宮崎大学 医学部 消化器・血液学講座), 三池 忠(宮崎大学 医学部 消化器・血液学講座), 沼田 政嗣(宮崎大学 医学部 消化器・血液学講座), 蓮池 悟(宮崎大学 医学部 消化器・血液学講座), 児玉 眞由美(宮崎大学 医学部 消化器・血液学講座), 永田 賢治(宮崎大学 医学部 消化器・血液学講座) |
抄録 | 【はじめに】C型急性肝炎の早期にはHCV抗体が陰性で、HCV RNAのみ陽性となる時期があるが、まれにHCV抗体、血清HCV RNAいずれも陰性のHCV持続感染症(occult HCV infection)が存在するとの報告がある。また、HCV抗体の測定系によっては偽陰性となることも考えられる。今回我々は、非B非C型慢性肝炎として治療され、その経過中にHCV抗体陽性、HCV RNA陽性を指摘されたためインターフェロン治療を施行し、HCV RNAの消失と肝障害が軽快した症例を経験したので報告する。【症例】39歳(2003年時)、男性。24歳頃から原因不明の慢性肝炎と診断され、32歳頃(1996年)に近医を受診。HBs抗原、HBc抗体、HCV抗体陰性で、非B非C型慢性肝炎と診断された。トランスアミナーゼは50~100程度で変動し、ウルソデオキシコール酸、SNMCなどによる加療を受けていた。37歳頃(2001年)、再度HCV抗体を測定したところ陽性であり、HCV RNA陽性、HCVセロタイプ2型であった。38歳(2002年)近医での肝生検組織像はF1A1で2003年2月当科初診。AST 50 IU/L、ALT 70 IU/L、血小板数 21.5万/μlであった。2004年4月からペグインターフェロンα-2aを180μg、週1回24週間投与し、ウイルスは完全消失した。また、インターフェロン投与後、トランスアミナーゼは正常化した。【考察】本症例は非B非C型慢性肝炎にC型急性肝炎が合併し、IFN治療により両者が軽快した可能性と、以前から存在したC型慢性肝炎がHCV抗体測定系の改良により明らかとなった可能性が考えられる。以前から存在した慢性肝障害の原因は今回は明らかに出来なかったが、非B非C型慢性肝炎として経過観察する場合にも、ウイルスマーカーは複数回チェックする必要があると考えられた。 |
索引用語 | 非B非C型慢性肝炎, HCV感染 |