セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 142:3ヵ月で急激に発症した膵頭部癌の1例 |
演者 | 伊佐 勉(豊見城中央病院外科) |
共同演者 | 山元 啓文(豊見城中央病院外科), 仲地 厚(豊見城中央病院外科), 兼城 隆雄(豊見城中央病院外科), 照屋 剛(豊見城中央病院外科), 城間 寛(豊見城中央病院外科), 金城 光世(同内科) |
抄録 | 膵癌の治療成績向上のためには早期発見が最も重要な課題であるが,各種画像診断を駆使しても容易ではないのが現状である.今回われわれは,FDG-PET検査を含む癌ドック受診3ヵ月後に,上腹部痛,閉塞性黄疸にて発症した膵頭部癌の1例を経験したので報告する. 症例は52歳,女性.平成17年8月癌ドックを受診し,腫瘍マーカー(CA19-9 24.5U/ml,他),腹部エコー検査,胸部CT検査,PET検査を受けたが,胆嚢ポリープおよび胆嚢腺筋腫症以外の異常所見は指摘されなかった.同年11月胆嚢病変のフォローのために行ったエコー検査にて多発性肝腫瘤を指摘され,当院紹介となった.その頃から食後の上腹部痛を認めるようになっていた.受診時のCA19-9は2,800U/mlと異常高値で,腹部エコー,CT,MRI検査では膵頭部に直径約3cmの腫瘤陰影を認め,肝臓には1~2cmの多発性腫瘤陰影を認めた.PET検査では膵頭部にSUVmax値10.0の異常集積と,肝臓には多発性の異常集積を認めた(SUVmax値=9.2).肝および膵頭部腫瘤の穿刺生検にて低分化から中分化腺癌と診断された.初診約2週間後から閉塞性黄疸が出現し,金属ステントを留置した.同年12月からGemcitabineによる化学療法を開始した.平成18年1月にはステント閉塞に対して再留置,2月には癌性腹膜炎に対してGemcitabineの腹腔内投与などを行ったが,治療の効果なく,3月に永眠された. FDG-PET検査を含む癌ドック受診から僅か3ヵ月の間に,CA19-9が24.5U/mlから2,800U/mlに上昇し,膵頭部腫瘤,多発性肝腫瘤が出現しており,膵癌の早期発見の難しさや進行の早さを痛感させられた. |
索引用語 | 膵癌, 癌ドック |