セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 108:皮膚筋炎に合併したHNPCCの1例 |
演者 | 進藤 奈々(熊本大学 消化器内科学) |
共同演者 | 関 貴之(熊本大学 消化器内科学), 田村 文雄(熊本大学 消化器内科学), 永濱 裕康(熊本大学 消化器内科学), 桜井 宏一(熊本大学 消化器内科学), 田中 基彦(熊本大学 消化器内科学), 小串 葉月(熊本大学 皮膚科学), 尹 浩信(熊本大学 皮膚科学), 佐々木 裕(熊本大学 消化器内科学) |
抄録 | 〔症例〕30歳女性。手指の皮疹に気づき、半年程で顔面紅斑、顔面浮腫が出現した。近医にてステロイド軟膏、抗アレルギー剤の内服で加療されたが増悪し、その後全身に拡大、上肢の筋痛、嚥下困難も出現したため皮膚筋炎疑われ当院皮膚科紹介入院となる。入院時、顔面の浮腫、蝶形紅斑様の紅斑、背部の多型皮膚萎縮、両上肢背側から頚部、両大腿伸側にかけて浸潤を伴い中心は消退傾向を示す紅斑を認めた。両手指背部にゴットロン徴候あり、血液検査上は抗Jo-1抗体陽性と筋原性酵素が上昇しており、MRI、皮膚生検にて筋炎の所見を認めたため皮膚筋炎と診断した。プレドニゾロン開始にて皮疹と筋症状の改善傾向を認め、CK値は低下した。一方入院前より下痢(Hb 7.1g/dl)と貧血があり、入院時便潜血陽性のため、下部消化管内視鏡検査施行したところ上行結腸ほぼ全域に全周性の隆起性病変を認め、生検でadenocarcinomaの診断を得た。CT、USで、傍大動脈リンパ節転移、肝転移を認めた。また問診により3名以上の血縁者が大腸癌に罹患しうち1人の罹患者は他の罹患者2人の第1度近親者で、継続する3世代が罹患していること、また本人の年齢が30歳、右側の大腸癌であることからアムステルダム診断基準IIを満たすためHNPCCと診断した。大腸手術は困難と考え化学療法開始した。〔考察〕皮膚筋炎に合併する悪性腫瘍では胃癌が多く、結腸癌は4~7%と報告され、また、HNPCCは大腸癌患者の2%程度とともに稀である。本症例は大腸癌の悪化と関連して皮膚筋炎が発症したという可能性が考えられるため文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | HNPCC, 皮膚筋炎 |