セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
170:肝原発cystadenocarcinomaの1症例
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演者 |
木梨 孝則(潤和会記念病院 外科・消化器科DELIMITER宮崎大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター) |
共同演者 |
谷口 智隆(潤和会記念病院 外科・消化器科), 吉山 一浩(潤和会記念病院 外科・消化器科), 黒木 直哉(潤和会記念病院 外科・消化器科), 岩村 威志(潤和会記念病院 外科・消化器科), 千々岩 一男(宮崎大学医学部附属病院 第一外科) |
抄録 |
症例は83歳女性。高血圧症で通院中の近医で施行された腹部エコーで肝左葉の類円形のmassを認められ精査のために当科を紹介受診した。初診時の腹部エコーでは肝外側区域に3.8cm大のhyperechoic tumorを認めた。CTでは外側区域S3に3.3×3.6×3.6cmの腫瘤を認め、壁は造影され、周囲との境界は比較的明瞭であった。遅延相で腫瘍内の辺縁部が淡く造影され、この腫瘤に圧排された末梢の胆管は拡張していた。肝門部にリンパ節腫大はみられなかった。また、MRIで同部位の内部はほとんど造影されず不均一だった。画像所見上、嚢胞性腫瘍様で肝細胞原発、胆道系原発腫瘍以外に、感染(結核、寄生虫、細菌など)の炎症後や、biliary cystの壁が悪性化した腫瘍などが考えられた。選択的肝動脈造影で、腫瘤辺縁が造影され、内部も淡く造影されるという所見からcystadenocarcinomaもしくはcystadenomaを疑った。手術は肝外側区域切除術を施行した。術中明らかなリンパ節の腫大を認めず、系統的リンパ節郭清は行なわなかった。摘出した標本では腫瘤は被膜に覆われ、内部は粘液成分と中央には壊死組織と思われる部位が混在していた。病理組織学的診断ではcystadenocarcinomaであった。肝原発のcystadenocarcinomaは比較的まれな疾患である。文献的考察をふまえて報告する。 |
索引用語 |
cystadenocarcinoma, hyperechoic tumor |