セッション情報 一般演題

タイトル 122:

緊急手術を施行した潰瘍性大腸炎の3症例

演者 澤岻 安勝(琉球大学 第一外科)
共同演者 長濱 正吉(琉球大学 第一外科), 佐村 博範(琉球大学 第一外科), 野里 栄治(琉球大学 第一外科), 佐辺 直也(琉球大学 第一外科), 下地 英明(琉球大学 第一外科), 友利 寛文(琉球大学 第一外科), 白石 祐之(琉球大学 第一外科), 西巻 正(琉球大学 第一外科), 金城 福則(琉球大学 光学診療部)
抄録 潰瘍性大腸炎(以下UC)は再燃寛解を繰り返す難治性自己免疫疾患である。外科治療を受ける症例の多くは、ステロイド、免疫抑制剤を大量に投与され、さらに貧血、低蛋白血症、低栄養を伴うcompromised hostであり、operative risk がきわめて高いといえる。緊急手術が必要とされるUCは、手術症例の5~15%であり、術後合併症でその後の管理にしばしば難渋する。今回、私達はは緊急手術を行ったUCの3例を経験したので報告する。症例1 68歳・男性。狭心症、糖尿病で内服加療中。1980年大腸憩室炎で手術の既往がある。1993年からUCと診断され治療を受けている。2004年9月、UCの再燃で、当院消化器内科入院。内科的治療に反応せず、巨大結腸症の診断で同年11月、当科転科し、結腸亜全摘、直腸粘液瘻、回腸人工肛門造設術が施行された。術前プレドニン使用量60mg/日。術後、創感染、残存直腸のUC再燃があったが、術後105日目軽快退院した。症例2 69歳・男性。既往歴に特記事項なし。1983年からUCと診断され治療を受けている。2005年5月、UCの再燃で、当院消化器内科入院。内科的治療に反応しなかった。7月上旬、発熱、筋性防御が認められ、穿孔性腹膜炎の診断で緊急手術となった。結腸亜全摘、直腸粘液瘻、回腸人工肛門造設術を施行。術前プレドニン使用量35mg/日。術後40日目には腹腔内遺残膿瘍で開腹ドレナージ施行。術後151日目軽快退院。症例3 51歳・男性。既往歴として糖尿病がある。2005年5月からUCと診断され治療を受けている。2005年7月、UCの増悪で、当院消化器内科入院。内科的治療に反応せず、7月中旬、下血量が増加した。手術目的に当科転科となり、大腸全摘、回腸瘻造設術が施行された。術前プレドニン使用量20mg/日。術後24日目には術前からの膿胸再燃・感染の加療目的に内科転棟。術後144日目軽快退院となった。(まとめ)緊急手術を行ったUCを3例経験した。全例がステロイド抵抗性症例で、術後感染症合併し長期間入院加療を要した。
索引用語 潰瘍性大腸炎, 緊急手術