セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 37:高位イレウスを来たした進行十二指腸癌の一例 |
演者 | 嬉野 浩樹(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門) |
共同演者 | 芹川 習(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 中原 慶太(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 立石 秀夫(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 米湊 健(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 田宮 芳孝(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 渡辺 靖友(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 鶴田 修(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 豊永 純(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門) |
抄録 | 高位イレウスを来たした進行十二指腸癌の一例症例 ; 50歳代男性。現病歴 ; 2005年6月から胸焼け、腹部膨満感を自覚し近医受診。逆流性食道炎が疑われ、プロトンポンプインヒビター投与にて一時症状改善していたが再燃したため上部消化管造影検査施行されたところ、十二指腸球後部に狭窄が認められ、精査・加療目的に7月26日当院紹介入院となった。入院後経過 ; 当科での内視鏡検査では、胃内に多量の腸液の貯留を認め、球後部に全周性狭窄があり、その口側にわずかな不整粘膜を認めた。病変部をScopeは通過し得なかった。同部の生検では異型腺管を認めるも癌の確診は得られなかった。高位イレウスの診断にて、single tube を挿入し絶食、TPNによる加療を行った。1日約3000mlの排液が持続し、循環血漿量低下に伴う腎機能の悪化、高Ca血症を来たしたが、速やかに輸液補正を行ったところ改善した。十二指腸造影検査では、ガストログラフィンの下行脚への通過が不良で、体位変換にても遅延しわずかに流れる程度であった。球後部から下行脚にかけて約3cm大の apple core 様の所見認めるも、粘膜面の評価は困難であった。腹部CTでは、同部位の全周性の不整な壁肥厚、造影にて不均一な濃染像と周囲の毛羽立ち像。MRIでは、T1低信号、T2軽度高信号に描出され、造影にて徐々に濃染されるパターンを呈しており、肝臓・下大静脈との境界は明瞭であった。十二指腸進行癌の診断にて外科転科となった。8月29日膵頭十二指腸切除術を施行。最終診断としては、Cancer of the duodenum, well differentiated adenocarcinoma であった。考案 ; 今回われわれは、イレウス症状を契機に発見された、進行十二指腸癌の症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 高位イレウス, 十二指腸進行癌 |