セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 121:Churg-Strauss症候群を合併した潰瘍性大腸炎の一例 |
演者 | 石田 哲(社会保険 田川病院) |
共同演者 | 野田 哲裕(社会保険 田川病院), 草場 喜美子(社会保険 田川病院), 田邊 亮(社会保険 田川病院), 岩永 真一(社会保険 田川病院), 弥永 円(社会保険 田川病院), 宮島 一郎(社会保険 田川病院), 富安 信夫(社会保険 田川病院), 前川 隆一郎(社会保険 田川病院), 向坂 彰太郎(社会保険 田川病院) |
抄録 | 潰瘍性大腸炎(以下UC)発症後まもなくしてChurg-Strauss症候群(以下:CSS)をきたした症例を経験したので報告する。症例は15才男性。主訴:粘血便。既往歴:気管支喘息。現病歴:2004年11月初旬頃より腹痛、下痢が出現し、粘血便を認め当院受診。大腸内視鏡検査(以下:CS)で直腸からS状結腸にかけて連続性、全周性に血管透見消失し、浮腫、びらん、膿性粘液の付着を認めた。感染性腸炎等は除外され組織学的にUCに合致する所見であった。外来で経過観察を行ったが、症状悪化し、貧血(Hg7.7g/dl)を認め12月25日に入院となった。入院時、中等症UCの診断でメサラジン2250mg/日内服、食事療法を開始した。腹痛、下痢は消失し、粘血便は徐々に改善したが、再度行ったCSでは、病変は連続性に全大腸に進展し、生検で粘膜内に多数の好酸球浸潤を認めた。治療開始後より徐々に末梢血好酸球数が増加し、2月10日には10000/μlとなった。血管炎によると考えられる症状は認めなかったが、既往症や血清IgE増加(1800U/ml)ありCSSと診断した。ステロイド薬(Prednisolone40mg/日)投与開始し、末梢血好酸球は速やかに減少し、貧血、粘血便も消失した。臨床症状、炎症所見は改善したためステロイド薬を漸減し再燃は認めていない。【考察】潰瘍性大腸炎は原因不明で血便をきたす他疾患の除外により診断される。一方CSSは、アレルギー性疾患の先行がみられ、好酸球贈多、血管炎症候群を3主徴とする。本症例ではUC発症時には、血液生化学検査、組織学的検査でも血管炎所見は得られておらず、UC経過中にCCSを発症したと考えられた。治療薬として使用したMesalazineにより好酸球活性化が報告されており、CCSの病態進展に関与した可能性は否定できないが、UCとCSSの合併は本邦での報告はなく貴重な症例と考えられた。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, Churg-Strauss |