セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-診断1

タイトル 消P-465:

高齢者急性胆管炎重症度判定におけるプロカルシトニン測定の有用性

演者 濱野 耕靖(青梅市立総合病院・消化器内科)
共同演者 渡部 太郎(青梅市立総合病院・消化器内科), 中条 恵一郎(青梅市立総合病院・消化器内科), 横田 雄大(青梅市立総合病院・消化器内科), 河合 富貴子(青梅市立総合病院・消化器内科), 細井 広子(青梅市立総合病院・消化器内科), 野口 修(青梅市立総合病院・消化器内科)
抄録 【目的】急性胆管炎は速やかに胆道減圧を行わないと敗血症・重要臓器障害を併発して、致死的な場合も存在する。しかし高齢者の急性胆管炎は発熱、腹痛など臨床症状を欠くことも多く、診断・治療の遅れにより重篤な経過をたどることがある。近年感染症のマーカーおよび敗血症重症度の指標としてプロカルシトニン(PCT)が注目されており、高齢者胆管炎の診断および病態把握の有用性につき検討する。
【方法】2009.12月~2011.2月に画像上胆道の通過障害が示唆され当科入院となった患者のうち、PCTを測定した80歳以上の43例を対象とした。急性胆管炎の診断と重症判定につき、臨床徴候および血液検査との関連を解析した。
【成績】対象は男性17例、女性26例で年齢84.2(80~96)歳であった。疾患は総胆管結石29例、胆膵悪性狭窄14例、であり、「急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン」による急性胆管炎重症度分類では無/軽症/中等症/重症が4/9/17/13例であった。診断時に中等症/重症群で腹痛を呈した症例は30例中12例、38℃以上の発熱を呈した症例は30例中11例であった。胆管炎無/軽症群のPCT中央値0.09、中等症/重症群のPCT中央値2.86でありp<0.0001と有意に胆管炎中等症/重症群で高値であった。報告されている細菌感染症の鑑別診断におけるPCTのカットオフ値は0.5ng/mLであり、この値を用いて胆管炎中等症以上症例を判定すると感度は66.7%、特異度92.3%であった。またROC-AUC値は0.93であり、良好な診断能と考えられた。
【結論】血清PCTは急性胆管炎の重症度判定に対して有用なマーカーであると示唆された。臨床所見が乏しくても画像上胆道の通過障害が示唆され、PCT高値の症例は速やかな胆道ドレナージが必要であると考えられる。
索引用語 プロカルシトニン, 高齢者急性胆管炎