セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-診断1

タイトル 消P-466:

当院における高齢者の胆嚢癌症例の検討

演者 岡本 明子(国立福山医療センター・内科)
共同演者 豊川 達也(国立福山医療センター・内科), 表 静馬(国立福山医療センター・内科), 宮阪 梨華(国立福山医療センター・内科), 渡邊 一雄(国立福山医療センター・内科), 堀井 城一朗(国立福山医療センター・内科), 藤田 勲生(国立福山医療センター・内科), 合原 大博(国立福山医療センター・内科), 寺尾 正子(国立福山医療センター・内科), 村上 敬子(国立福山医療センター・内科), 友田 純(国立福山医療センター・内科)
抄録 【目的】胆道癌死亡者数は悪性新生物の第6位である。胆道癌において、根治可能な治療法は外科的切除のみであるが、診断時に切除可能症例は少数である。高齢者においては手術可能な腫瘍であっても、年齢や全身状態から判断し、緩和治療を開始することもある。高齢者の胆嚢癌の実態を明らかにするため、臨床像・治療法とその生存期間について検討したので報告する。【方法】平成12年から平成21年までに当院で診断された胆嚢癌40例のうち、75歳以上24症例について、75歳未満の16症例と比較検討した。【成績】75歳以上(高齢者)の胆嚢癌は24例あり、75歳未満(非高齢者)は16例であった。男女比は高齢者で11:13、非高齢者で10:6であり有意差は認めなかった。胆石の有無比は高齢者で8:8、非高齢者で6:7であり有意差は認めなかった。病期1期:2期:3期:4a期:4b期は高齢者では6:3:1:3:11であり、非高齢者では1:2:0:5:5で有意差は認めなかった。治療法に関して高齢者vs非高齢者で検討したが、手術のみを行ったのは4症例vs3症例、手術と術後化学療法をおこなったのは2症例vs1症例、手術と放射線療法を行ったのは1症例vs1症例、化学療法のみおこなったのは3症例vs5症例であり、いずれも有意差をみとめなかった。緩和療法を行ったのが高齢者では7症例、非高齢者では2症例で有意差は認めなかった。高齢者では切除が7症例、非切除が17症例、非高齢者では切除が9症例、非切除が7症例であり、高齢者では非切除が多い傾向にあった。(p=0.0867)Kaplan-Meier法による累積生存率の比較でも高齢者・非高齢者で有意差は認めなかった。【結論】高齢者の胆嚢癌では非高齢者と比較して臨床像・予後に有意差は認めず、治療法として非切除例が多い傾向にあることが判明した。高齢者でも非高齢者と同等に治療が施されており、ほぼ同等の効果をしめしていると考えた。今後さらに胆嚢癌症例の予後改善にあたり検討が必要である。
索引用語 胆嚢癌, 高齢者