セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-診断2

タイトル 消P-471:

胆道疾患に対するOptical Coherence Tomographyの有用性についての検討

演者 鈴木 雅貴(宮城県立がんセンター・消化器科)
共同演者 野口 哲也(宮城県立がんセンター・消化器科), 虻江 誠(宮城県立がんセンター・消化器科), 鈴木 眞一(宮城県立がんセンター・消化器科), 野村 栄樹(宮城県立がんセンター・消化器科), 内海 潔(宮城県立がんセンター・消化器科), 小野寺 博義(宮城県立がんセンター・消化器科)
抄録 【背景・目的】近年、光の干渉現象を利用して微細な断層像を得るOptical Coherence Tomography(OCT)が開発され実用化されている。OCTは管腔内超音波検査法(IDUS)の10倍、300MHzに相当する分解能を持つとされる。今回胆道疾患に対し、OCTとIDUSを同時に施行しそれぞれの有用性について検討した。【対象・方法】2008年8月から2011年2月までにOCTを施行した症例は22例で、このうちIDUSを同時に施行した胆管癌9例、胆嚢癌1例、乳頭部癌4例の計14例を対象にした。切除標本を用いて胆管壁を観察し観察深度、壁構造、癌の深達度について検討した。尚、胆嚢癌の1例を除く11例ではin vivoでも検討を試みた。【結果】観察深度はOCTが平均0.8mm、IDUSは平均16mmであった。胆管壁構造に関して、IDUSでは内側低エコー、外側高エコーの2層として認められたが、OCTでは一層の粘膜上皮、線維筋層結合組織、漿膜下層線維組織、漿膜下層脂肪組織、膵腺房組織と、それぞれが明瞭に区別され描出された。水平方向進展はIDUSでは粘膜表層進展、壁内進展ともに診断困難であったが、OCTでは癌性腺管を直接描出することにより壁内進展は診断可能であった。胆管癌の深達度に関してIDUSでは全例深達度が判定可能であったが、OCTでは光の散乱のため1mmを超える病変の同定は不可能であり深達度診断は困難であった。主腫瘍部ではIDUSでは低エコーの腫瘤として描出されたのに対し、OCTでは内部の腺構造が描出でき組織型の判定が可能であった。【結論】OCTではoptical biopsyといわれるようにほぼルーペ像同様の画像が得ることができる。このため粘膜の微細な病変を捉えることができるが、垂直方向の観察域が1mm程度であり、深達度診断には有用ではない。よって深達度診断が可能なIDUSと組み合わせることにより、今後より正確な進展度診断が可能となることが示唆された。
索引用語 OCT, IDUS