セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胆道-診断2 |
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タイトル | 消P-472:術前シミュレーションに必要な造影脈管画像および肝GSAシンチの3D fusion画像 |
演者 | 濱崎 景子(長崎大大学院・腫瘍外科学) |
共同演者 | 七島 篤志(長崎大大学院・腫瘍外科学), 阿保 貴章(長崎大大学院・腫瘍外科学), 若田 幸樹(長崎大大学院・腫瘍外科学), 日高 重和(長崎大大学院・腫瘍外科学), 竹下 浩明(長崎大大学院・腫瘍外科学), 澤井 照光(長崎大大学院・腫瘍外科学), 永安 武(長崎大大学院・腫瘍外科学) |
抄録 | 【目的】肝および膵切除において術前画像診断による腫瘍局在とその進展範囲、脈管との位置関係を立体的に把握することは有力な情報となりうる。最新の高解像度画像機器の進歩とワークステーション上の3D画像解析を用いると脈管系の3D構築や各種画像のfusion画像作成が可能で術前シミュレーションに応用できる。当教室の取り組みについて報告する。【方法】3D脈管像の撮影手段は、1) 64列MDCT、2)胆管系は64列MDCTによるDIC-CT、直接胆管造影ではC-arm CT (AXIOM ARTIS Flat-detectorシステム)や64列MDCTを用いた低濃度造影剤による同時スキャンを行った。3)機能的肝評価には99m-Tc GSA肝シンチを用いた。各種fusion画像を作成し切除適応や切除範囲の評価を行った。【結果】2006年11月より46例の肝胆道癌で高解像度の3D胆管撮影を施行し29例の肝膵切除シミュレーションに応用した。対象は胆管癌21例、肝細胞癌9例、肝内胆管癌4例、転移性肝癌3例、胆嚢癌5例、膵癌4例。いずれも任意の方向から立体的脈管像を確認でき、胆管造影では通常胆管造影同等の進展度診断が可能であった。胆管癌の進展範囲診断にはVR画像よりMRPやMIP断層画像が有用であった。いずれの症例でも断端陰性の予定切除が遂行できた。膵癌では動門脈浸潤が任意の角度で容易に診断でき、画像診断どおりにいずれも浸潤を認め、合併切除を施行した。2009年4月より21例の肝胆道癌の肝切除においてGSA-MDCT fusion画像による区域別の機能的肝容積の測定を行い、ICGによる切除許容範囲に応じて切除範囲、術式決定に用い、術後肝不全は認めなかった。胆管閉塞や門脈塞栓によるdiseased liverでは機能的容積の著明な低下が確認され、1例で胆管ドレナージ決定に有用性が確認された。【結語】最新の画像機器により短時間に得られた高解像度の脈管や肝機能画像と、それらの3D fusion画像は肝切除および膵切除シミュレーションにおいて欠かせない診断ツールと考えられた。 |
索引用語 | 3D fusion画像, 肝膵切除 |