セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-診断2

タイトル 消P-473:

十二指腸乳頭部腫瘍におけるMR拡散強調像(diffusion weighted imaging:DWI)の有用性についての検討

演者 長浜 正亜(昭和大藤が丘病院・消化器内科)
共同演者 丸岡 直隆(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 山村 詠一(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 遠藤 豊(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 高橋 寛(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 竹山 信之(昭和大藤が丘病院・放射線科)
抄録 【はじめに】十二指腸乳頭部腫瘍の良悪性の鑑別は治療方針を大きく左右する一方、各種画像検査や生検病理診断で判定困難な病変がある。今回われわれは十二指腸乳頭部腫瘍に対するMR拡散強調像(diffusion weighted imaging:以下DWI)の診断の有用性について検討を行った。【対象】2009年1月1日から2011年2月28日までに当科で経験した十二指腸乳頭部腫瘍のうち生検もしくは手術で組織診断があり、かつMRCPでDWI撮影を行った10例。【方法】十二指腸乳頭部病変部についてDWI画像で十二指腸壁と比較して高信号かどうかを判定した。また病変部ADC値を測定し非悪性腫瘍群と悪性腫瘍群で比較検討した。【症例内訳】非悪性腫瘍群4例:adenoma4例。平均年齢64.5±7.5歳、男女比1:3、平均腫瘍径:13.3±2.8mm。悪性腫瘍群6例:cancer in adenoma1例、adenocarcinoma5例。平均年齢74.5±8.7歳、男女比2:4、平均腫瘍径:17.2±6.0mm。【MRCP撮像条件と読影方法】使用機種GE社SignaHDxt1.5TでMRCP、T1、T2、DWIを同時に撮影。DWIのb値は0s/mm2と1000s/mm2を用いた。得られたT1およびT2強調画像より放射線科医師1名と消化器内科医師1名の計2名で読影を行い、十二指腸乳頭部病変部を同定し、DWI画像上で病変部と十二指腸壁を比較して病変部が高信号かどうかを判定した。また病変部のADC値を測定し、非腫瘍性病変と腫瘍性病変のADC値の平均値およびMann-Whitney検定を用いた比較検討を行った。【結果】十二指腸乳頭部病変部は10例全例で高信号と判定できた。ADC値の平均値(mean±SD)は非悪性腫瘍群:1.99±0.39×10-3mm2/sec、悪性腫瘍群:1.37±0.28×10-3mm2/sec、中央値はおのおの2.06×10-3mm2/sec、1.47×10-3mm2/secであり有意差を認めた(p<0.001)。【考察】DWIは十二指腸乳頭部腫瘍の拾い上げに有効なスクリーニング方法となる可能性と、良悪性の鑑別の一助になる可能性が示唆された。
索引用語 十二指腸乳頭部, MR拡散強調像