セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胆道-診断2 |
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タイトル | 消P-474:膵・胆道癌の機能画像診断にPETは必要か |
演者 | 柘野 浩史(津山中央病院・消化器科・内視鏡センター) |
共同演者 | 濱田 健太(津山中央病院・消化器科・内視鏡センター), 馬場 雄己(津山中央病院・消化器科・内視鏡センター), 岡崎 倫子(津山中央病院・消化器科・内視鏡センター), 山崎 泰史(津山中央病院・消化器科・内視鏡センター), 河野 吉泰(津山中央病院・消化器科・内視鏡センター), 布上 朋和(津山中央病院・消化器科・内視鏡センター), 高山 祐基(津山中央病院・消化器科・内視鏡センター), 竹本 浩二(津山中央病院・消化器科・内視鏡センター), 竹中 龍太(津山中央病院・消化器科・内視鏡センター), 平良 明彦(津山中央病院・消化器科・内視鏡センター), 藤木 茂篤(津山中央病院・消化器科・内視鏡センター) |
抄録 | 【目的】PETは、形態画像であるCTやMRIとは異なり、機能画像として付加する診断情報が得られる。また、PETとCTの融合画像診断(PET/CT)が最近導入され、診断精度が向上している。同様の機能画像としては、MRI拡散強調画像(DWI)も近年急速に普及している。DWIは通常のMRIがあれば設備投資は不要で、コストが安く、被曝がなく、高血糖の影響を受けない利点もある。もし、DWIがPET/CTの診断能を凌駕するのであれば、PET/CTは機能画像診断には不必要かもしれない。今回我々は、膵・胆道癌の原病変とリンパ節転移の診断において、機能画像としてのPETの必要性や役割について、DWIと比較して考察した。【方法】対象は、当院で悪性腫瘍が疑われた膵疾患128例(うち、膵癌62例、IPMCA 14例)と胆道疾患77例(うち、肝外胆管癌25例、胆嚢癌16例、乳頭部癌7例)。1)原病変の診断能をPET/CTとDWIで比較検討した。2)リンパ節転移の有無が組織学的に明らかな膵疾患31例、胆道疾患29例で、リンパ節転移の診断能を比較した。【成績】1)膵癌(正診率:PET/CT 90.7%、DWI 84.5%)、胆嚢癌(同92.9%、82.1%)では、いずれも有用であった。2)肝外胆管癌(正診率:PET/CT 74.4%、DWI 56.4%)や乳頭部癌(同90.0%、50.0%)では、PET/CTがDWIよりも診断能が優れていた。3)膵嚢胞性悪性腫瘍の診断には、いずれの方法とも特異度は高いが感度(PET/CT 64.3%、DWI 42.9%)が不十分だった。4)リンパ節転移の診断は、膵癌胆道癌ともに、PET/CTはDWIよりも感度が悪いが特異度は良好だった。【結論】1)PET/CTは、膵・胆道癌の機能画像診断には有用で必要な検査と考える。2)特に、肝外胆管癌や乳頭部癌の診断では、腸管ガスや蠕動の影響を受けるDWIよりもPET/CTが優れている。3)PET/CTはリンパ節転移の特異性が高いため、病期決定、転移や術後再発の検索における相補的な診断に有用と考える。 |
索引用語 | PET, MRI拡散強調画像 |