セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胆道-治療1 |
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タイトル | 消P-475:当院における急性胆嚢炎に対する内視鏡的経鼻胆嚢ドレナージ術の検討 |
演者 | 伊藤 美樹(市立釧路総合病院・消化器内科) |
共同演者 | 鈴木 一也(市立釧路総合病院・消化器内科), 若杉 英樹(市立釧路総合病院・消化器内科), 松永 康孝(市立釧路総合病院・消化器内科), 菅野 伸一(市立釧路総合病院・消化器内科), 牛島 慶子(市立釧路総合病院・消化器内科), 藤井 健一(市立釧路総合病院・消化器内科), 後藤 啓(市立釧路総合病院・消化器内科), 米澤 和彦(市立釧路総合病院・消化器内科), 阿部 敬(市立釧路総合病院・消化器内科), 篠村 恭久(札幌医大・1内科) |
抄録 | 【背景】急性胆石性胆嚢炎(ACC)に対しては、早期の胆嚢摘出術が標準治療である。しかし、患者の全身状態や合併症、施設の人的・物的資源の制限により、早期の胆嚢摘出術が困難な場合も少なくない。経皮経肝的胆嚢ドレナージ術(PTGBD)は、確立された胆嚢ドレナージ法であり、成功率も高いが,出血・脈管穿刺などのリスクが懸念される.PTGBDに代わる胆嚢ドレナージ法として,内視鏡的経鼻胆嚢ドレナージ術(ENGBD)の有用性が報告されている。当院ではACCに対しては,早期の胆嚢摘出術が不可能な場合には,ENGBDを第一選択としている.当院でのENGBD施行例について検討した.【対象と方法】2009年1月から2010年12月までの2年間に,当施設でACCに対しENGBDを試みた全例,合計40例.【結果】患者は男性23例,女性17例.年齢中央値74歳 .4例で総胆管結石の合併がみられた.40例中31例(77.5%)に胆嚢内へのドレナージチューブの留置が可能であった。 平均ドレナージ期間は3.87日.不成功9例の理由は,胆管挿入困難が3例,胆嚢管挿入困難が3例,胆嚢管から胆嚢内への挿入困難が2例であった。不成功例はPTGBD,内視鏡的経鼻胆管ドレナージ,抗生剤で保存的に加療し,軽快した.また,偶発症は胆嚢管損傷1例,術後膵炎1例であった.【結語】これまでに報告されているENGBD成功率は59.2~89%であり,我々のENGBD成功率と同等であった.ACCに対して早期の胆嚢摘出が困難な場合には,ENGBDは有用な治療選択肢であると考えられた.ENGBDは,その成功率や偶発症には施設間・術者間格差が存在することが予想され,さらなる症例の蓄積と標準的な手技の確立が必要と考えられる. |
索引用語 | 急性胆嚢炎, ENGBD |