セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-治療1

タイトル 消P-476:

急性胆管炎を合併した胆管結石症に対する緊急内視鏡治療の現状

演者 足立 清太郎(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科)
共同演者 中原 一有(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 片倉 芳樹(聖隷横浜病院・消化器内科), 奥瀬 千晃(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 伊東 文生(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】急性胆管炎の診療ガイドラインでは, 中等症以上は迅速な胆道ドレナージが望ましいとされているが, 一期的截石に関しては言及されていない. 今回, 中等症以上の急性胆管炎を合併した胆管結石症に対する緊急内視鏡治療を検証し, 特に一期的截石の検討を行う.【方法】対象は2005年6月以降に緊急内視鏡治療を施行した中等症以上の胆管炎を合併した胆管結石症147件 (重症19, 中等症128)で, 男女比は95:65, 平均年齢71.8歳である. 検討項目は, 1)乳頭処置内容, 2)胆道処置内容, 3)治療成績, 4)早期偶発症発生率とし, それぞれ中等症, 重症で比較検討した. 治療成績良好は, 処置後の解熱かつ白血球数・CRPの改善傾向を認めたものと規定し, 偶発症発生率は同時期に施行した非緊急554件を対象に比較検討した. 統計学的解析にはFisherの正確検定を用い, P<0.05で有意差ありとした. 【結果】1) 重症ではEST 4, EPBD 0, なし15で, 中等症ではEST 51, EPBD 2, なし72であり, 有意差はないものの, 中等症で乳頭処置を付加するものが多かった (P=0.15). 2) 重症ではEBD 3, ENBD 14, 一期的截石 2で, 中等症ではEBD 17, ENBD 67, 一期的截石 41であり, 有意差はないものの, 中等症で一期的截石を行うものが多かった (P=0.10). 3) 重症では全例で, 中等症では92.8% (119/128) で良好な治療成績であった. 中等症の一期的截石群とドレナージ群で比較すると, 一期的截石群100% (41/41), ドレナージ群92.8% (78/84) で差はなかった. 4) 重症0%, 中等症5.5%で非緊急例の6.9%と差はなかった. また, 中等症の一期的截石群とドレナージ群で比較すると, 一期的截石群2.4% (1/41), ドレナージ群7.1% (6/84) で差はなかった.【結語】急性胆管炎を合併した胆管結石に対する緊急内視鏡治療では, 中等症例では, 一期的截石群とドレナージ群の治療成績, 偶発症発生率に差はなく, 出血傾向等の乳頭処置困難例を除けば, 一期的載石術も可能であると考えられた.
索引用語 急性胆管炎, 緊急内視鏡