セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-治療1

タイトル 消P-477:

急性胆嚢炎に対する内視鏡的胆嚢ドレナージ術と経皮経肝胆嚢ドレナージ術の比較検討:後ろ向き症例対症研究

演者 柿本 年春(さいたま市立病院・消化器内科)
共同演者 辻 忠男(さいたま市立病院・消化器内科), 加藤 まゆみ(さいたま市立病院・消化器内科), 篠崎 博志(さいたま市立病院・消化器内科), 桂 英之(さいたま市立病院・消化器内科), 金田 浩幸(さいたま市立病院・消化器内科), 三浦 邦治(さいたま市立病院・消化器内科), 宮永 亮一(さいたま市立病院・消化器内科), 岡本 信彦(さいたま市立病院・外科), 竹島 薫(さいたま市立病院・外科), 山藤 和夫(さいたま市立病院・外科)
抄録 【はじめに】急性胆石性胆嚢炎の急性期のドレナージは経皮経肝胆嚢ドレナージ術(PTGBD)が一般的であるが、最近、内視鏡的経十二指腸乳頭的胆嚢ドレナージ術(ENGBD)の報告も散見される。今回われわれは、当院での急性胆嚢炎に対するENGBDとPTGBDの成績、合併症などを比較し報告する。【対象と方法】2007年4月から2010年12月までに急性胆嚢炎に対しENGBDが試みられた51例(男性33例、女性18例、平均年齢65.4才)。同時期にPTGBDが試みられた51例(男性35例、女性16例、平均年齢64.6才)を比較対症とし、後ろ向きに検討した。【結果】手技成功率はENGBD群74.5%(38/51)、PTGBD群100%(51/51)。手技施行後48時間以内に解熱し臨床症状の改善がみられたものは、ENGBD群で手技が成功した例では92.1%(35/38)だがENGBD施行全例に対しては68.6%(35/51)、PTGBD群では92.2%(47/51)。偶発症はENGBD群で9例(17.6%、ERCP後膵炎5例、胆嚢管損傷4例)に認め、PTGBD群では4例(7.8%、胸膜炎2例、腹腔内出血1例、チューブ逸脱1例)に認めた。【結論】ENGBDは、成功した場合は急性胆嚢炎の急性期のドレナージとして有用であるが、PTGBDと比べ成功率が低く合併症も多い傾向にあり、現時点での急性胆嚢炎のドレナージの1st choiceはPTGBDである。ENGBDはPTGBDが禁忌と考えられる症例や総胆管結石合併例など適応を絞って行われるべきである。
索引用語 ENGBD, PTGBD