セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-治療2

タイトル 消P-480:

肝硬変合併胆道疾患に対する内視鏡治療の検討

演者 藤原 弘明(三井記念病院・消化器内科)
共同演者 佐藤 公紀(三井記念病院・消化器内科), 吉村 英子(三井記念病院・消化器内科), 斎藤 圭(三井記念病院・消化器内科), 近藤 真由子(三井記念病院・消化器内科), 高木 馨(三井記念病院・消化器内科), 大木 隆正(三井記念病院・消化器内科), 関 道治(三井記念病院・消化器内科), 戸田 信夫(三井記念病院・消化器内科), 田川 一海(三井記念病院・消化器内科)
抄録 【目的】肝硬変を合併した胆道疾患症例に対する内視鏡的治療の報告は少ない。今回我々は当院にて経験した症例を疾患別にその成績を検討したので報告する。【方法、対象】平成12年1月から平成22年12月までの間、当院で胆道疾患に対する内視鏡的治療を施行した肝硬変患者45例。これらの胆道原因疾患及び治療成績を比較検討した。【結果】肝硬変の成因はC型26例、B型7例、アルコール性6例、非B型非C型3例、C型+アルコール性2例、B型+C型+アルコール性1例、自己免疫性肝炎1例。ChildA23例、ChildB17例、ChildC6例。男性37例、女性9例、平件年齢66.0歳であった。治療対象となった胆道疾患は胆管結石19例、胆道出血4例、悪性腫瘍23例であつた。胆管結石症例は19例中18例(95%)が内視鏡的に結石を除去し治癒したが、慢性腎不全で維持透析していた1例のみ結石除去はおこなったものの、その後胆道出血を繰り返し肝不全で死亡した。胆道出血4例(100%)は内視鏡的に血腫の除去および胆道ドレナージを行い全例治癒した。悪性腫瘍23例(肝細胞癌16例、膵癌3例、胆管癌2例、胆嚢癌2例)については、胆道閉塞に対してドレナージを行い減黄後悪性腫瘍に対する治療を検討する方針の下、内視鏡的胆道ドレナージ施行した。18例(78%)が減黄可能であったが、5例はドレナージにも関わらず黄疸が進行し死亡した。死亡した5例はいずれも多発胆管狭窄例であった。【結論】肝硬変合併胆道疾患症例に対する内視鏡的治療には、胆管結石、胆道出血では良好な結果を期待することができる。悪性疾患による胆道閉塞は、特に多発胆管狭窄症例で充分な減黄効果が得られない可能性があり慎重な適応の検討が必要である。
索引用語 肝硬変, 内視鏡的治療