セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-治療2

タイトル 消P-481:

内視鏡治療を要した高齢者の胆道疾患における背景因子の解析

演者 堀本 雅祥(済生会千里病院・内科)
共同演者 後藤 靖和(済生会千里病院・内科), 奥田 偉秀(済生会千里病院・内科), 水野 龍義(済生会千里病院・内科), 山口 大輔(済生会千里病院・内科), 有光 晶子(済生会千里病院・内科), 大田 真紀代(済生会千里病院・内科), 高山 和宣(済生会千里病院・内科), 鈴木 都男(済生会千里病院・内科)
抄録 【背景】高齢化社会の進行に伴い,高齢者に内視鏡検査や治療を行う機会が増えている.高齢になるにつれて基礎疾患を有する症例も多く,重篤な偶発症を併発することがあるために慎重な対応が必要と考えられている。【目的】今回、閉塞性黄疸、胆管炎などで、内視鏡治療を必要とした症例について、入院にいたる主訴、併存疾患の内容、治療方法を検討し、その背景因子を解析することで、高齢者の胆道疾患の治療の現況について検討した。【方法】対象は、高齢者で内視鏡治療を必要とした、閉塞性黄疸、胆管炎症例<男性104例(65~91歳)女性116例(65歳~98歳)>。背景因子として、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、肥満、抗血小板・凝固剤内服の有無を検討した。【成績】主訴は、1.自覚症状ないが検査値異常 2.黄疸 3.腹痛 4.発熱の順であった。疾患併存率は、高血圧症(男50%,女62%)脂質異常症(男47.4%,女50%) 糖尿病(男28%,女19%) 肥満(男14%,女17%)であり、抗血小板・凝固剤内服率は(男26.9%,女38%)であった。治療方法の内訳は、ステント留置(男23%,女42%)EST(男42%,女6%)、EPBD(男18%,女6%)であった。ERCP手技に関連する偶発症の頻度において有意差は認めなかった。【結論】本検討対象群では、黄疸、腹痛といった症状を自覚していない症例が多く、高齢者治療においては、自覚症状を聞き取る他に、定期的な血液検査・画像検査を必要とする事が示唆された。一般有病率と比較すると、高血圧症の併存率は低い傾向にあるが、肥満率は変わらず、脂質異常症や、糖尿病を合併している傾向が高いことが明らかとなった。また、今回の検討でも、高齢者において必然性の高い抗血栓療法を受けている症例が多いことが明らかとなっており、内視鏡治療は有効かつ安全であるが、病歴把握と厳重な管理が必要であると考えられた。
索引用語 高齢者治療, 胆道