セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-治療2

タイトル 消P-484:

経皮経肝的胆道ドレナージ(PTBD)に伴う動脈性出血についての検討

演者 橋本 彩(奈良県立医大・放射線医学DELIMITER市立奈良病院・放射線科)
共同演者 穴井 洋(奈良県立医大・放射線医学), 末吉 智(奈良県立医大・放射線医学), 田中 利洋(奈良県立医大・放射線医学), 西尾福 英之(奈良県立医大・放射線医学), 福住 明夫(市立奈良病院・放射線科), 阪口 浩(奈良県立医大・放射線医学DELIMITER奈良県立三室病院・放射線科), 吉川 公彦(奈良県立医大・放射線医学)
抄録 【目的】近年、内視鏡的アプローチの頻度の増加に伴い、経皮的アプローチの機会は減少してきており、経皮経肝的胆道ドレナージ(PTBD)の質の維持、向上は難しくなりつつある。当院における最近の経皮経肝的胆道ドレナージ(PTBD)における重篤な合併症である動脈性出血について検討を行った。【対象と方法】2005年から2010年に、閉塞性黄疸を来しPTBDを施行した201例を検討した。男性120例、女性81例、平均年齢66歳。閉塞性黄疸の原疾患は膵癌65例、胆管癌60例、胆管炎・胆石9例、胆嚢癌16例、肝細胞癌10例、胃癌/十二指腸癌14例、その他の悪性腫瘍による肝転移や播種、リンパ節転移19例、術後吻合部の良性狭窄5例、その他3例であった。穿刺針を確認しえた188例の内、使用した穿刺針は、19G 85例、21G 103例であり、超音波ガイドや透視ガイド、それらの併用下に閉塞胆管を穿刺、ドレナージを施行した【成績】PTBD初期成功率は97.5%(196/201例)、最終成功率は99.5%(200/201例)であった。動脈性出血は9例(4.8%)に認めた。PTBD施行後平均10.7日、中央値4(0-31)日後に発生し、穿刺部からの出血の他に、腹痛やショックを来した症例は4例であった。原疾患別の内訳は膵癌5例、胆管癌2例、肝細胞癌1例、胆嚢癌1人であった。使用した穿刺針別の内訳は、19G針例は2例、21G針例は7例であった。全例で破綻血管の選択的動脈塞栓術が施行され止血に成功し、9例の内3例に仮性動脈瘤を認めた。動脈塞栓術に伴う合併症は認めず、その後再出血は見られなかった。【結論】当施設におけるPTBDに伴う動脈性出血の頻度は4.8%で、膵癌症例に比較的多く認めた。Society of Interventional RadiologyによるPTBDのQuality improvement guide lineによる動脈性出血の発生許容頻度(5%以下)以内であった。
索引用語 胆道ドレナージ, 動脈性出血