セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胆道-治療3 |
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タイトル | 消P-485:腹水を有する悪性胆道閉塞への経皮的ドレナージ術は瘻孔形成に問題があり、また長期予後が期待できない |
演者 | 志村 謙次(国保旭中央病院・消化器内科) |
共同演者 | 紫村 治久(国保旭中央病院・消化器内科), 糸林 詠(国保旭中央病院・消化器内科), 中村 朗(国保旭中央病院・消化器内科), 田村 寿英(国保旭中央病院・消化器内科), 山本 隆一(国保旭中央病院・消化器内科), 松島 知広(国保旭中央病院・消化器内科), 柳本 蔵人(国保旭中央病院・消化器内科), 片桐 智子(国保旭中央病院・消化器内科), 坂口 賀基(国保旭中央病院・消化器内科), 関根 匡成(国保旭中央病院・消化器内科), 高橋 悠(国保旭中央病院・消化器内科), 宮川 明祐(国保旭中央病院・消化器内科), 石垣 和祥(国保旭中央病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】大量腹水を有する悪性胆道閉塞に対して経皮的ドレナージ術(PTBD)は禁忌とされているが、中等量以下については指針がない。今回我々は中等量以下の腹水貯留患者へのPTBDの有用性と安全性を検討した。【方法】過去5年間に悪性胆道閉塞に対して施行した59件のPTBDを対象とし、腹水貯留の有無・程度と減黄効果、生存期間、偶発症発生率の関連を後ろ向きに検討した。また同期間に腹水貯留患者に施行した内視鏡的胆道ステント留置術(EBS)と比較した。【患者背景】腹水なし(N群)は37名、ダグラス窩のみ少量貯留(a群)は5名、上腹部に及ぶ中等量貯留(A群)は17名で、原発性/転移性、EBS併用、Bismuth分類、十二指腸狭窄について3群間に有意差はなかった。同期間にEBSを留置した腹水を有する悪性胆道閉塞は28名(少量貯留(EBS-a群):13名、中等量貯留(EBS-A群):15名)であった。【成績】減黄はN群:86.5%、a群:100%、A群:52.9%に得られ、A群はN群、a群よりも減黄成功率が有意に低かった。減黄後の生存期間はN群:190.7±26.1日、a群:69.4±11.0日、A群:45.4±8.7日にてA群とa群はN群よりも有意に短かった。偶発症発生率はN群:21.6%、a群:40%、A群:35.3%と同等ながら、腹水漏出はN群: 2.7%、A群:29.4%とA群に有意に多く発生した。チューブ逸脱はN群: 2名、a群:1名、A群:1名と同等であった。同期間にEBSを留置した腹水を有する悪性胆道閉塞の生存期間は、EBS-a群:166.3±49.9日、EBS-A群:37.3±5.7日にて、ダグラス窩のみの群はEBS群が有意に良好であったが、上腹部への貯留群では同等であった。【結論】少量であっても腹水を有する悪性胆道閉塞患者へのPTBDは予後不良であり、肝・脾周囲に腹水がある場合には腹水漏出などの偶発症が有意に多い。これらを勘案して減黄の適応を考えるべきである。 |
索引用語 | PTBD, 腹水 |