セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-治療3

タイトル 消P-486:

悪性肝門部胆管閉塞に対する経皮的ステント留置術の有用性についての検討

演者 穴井 洋(奈良県立医大・放射線医学)
共同演者 古市 欣也(奈良県立医大・放射線医学DELIMITER東大阪市立総合病院・放射線科), 末吉 智(奈良県立医大・放射線医学), 田中 利洋(奈良県立医大・放射線医学), 西尾福 英之(奈良県立医大・放射線医学), 橋本 彩(奈良県立医大・放射線医学DELIMITER市立奈良病院・放射線科), 阪口 浩(奈良県立三室病院・放射線科), 吉川 公彦(奈良県立医大・放射線医学)
抄録 【目的】悪性胆道閉塞に対するIVRは内視鏡的アプローチが第一選択となることが多くなってきたが、悪性肝門部胆管閉塞においてはアプローチ法のみならずステント留置法においても未だ確立されていない。今回、我々は悪性肝門部胆道閉塞に対する経皮的ステント留置術の有用性と安全性について検討を行った。【対象と方法】対象は1989年から2010年までに悪性肝門部胆道閉塞に対して経皮的ステント留置術を施行した260例(男149例・女111例、平均年齢69歳、胆管癌184例、胆嚢癌30、転移性肝癌14、肝細胞癌13、リンパ節転移10、膵癌5、播種・その他3)。経皮的にドレナージを施行し、原則として一側よりアプローチし、全ての狭窄・閉塞部位を内瘻化しステント留置を行うこととした。ステント部位の造影剤の通過性が良好であればドレナージチューブ抜去とした。ドレナージチューブ抜去率、再閉塞率とその原因、開存期間、合併症について検討を行った。【結果】全例で閉塞部位にステント留置が可能であった。260例中21例でステント留置部位の通過性を確認せずに転院したため評価、経過観察が困難で、本検討から省いた。ドレナージチューブ抜去は239例中226例(94.3%)で可能であった。再閉塞率はチューブ抜去可能であった226例中58例(25.7%)で、その原因はtumor ingrowth 27例、tumor overgrowth 16例、スラッジ形成8例、胆管炎1例、不明6例であった。ステント開存率は388(156-619;95%CI)日であった。合併症は260例中65例(25%)、その内訳は膿瘍14例、胆管炎14例、出血6例、膵炎4例、瘻孔形成5例、播種3例であったが重篤な合併症は認めなかった。【結語】悪性肝門部胆道閉塞に対する経皮的ステント留置術は安全かつ有用であることが示唆された。
索引用語 肝門部胆管閉塞, 経皮的ステント留意術