セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-治療3

タイトル 消P-487:

当院における非切除肝門部胆管癌に対するmetallic stent治療の検討

演者 大畠 昭彦(藤枝市立総合病院・消化器科)
共同演者 丸山 保彦(藤枝市立総合病院・消化器科), 景岡 正信(藤枝市立総合病院・消化器科), 森 雅史(藤枝市立総合病院・消化器科), 志村 輝幸(藤枝市立総合病院・消化器科), 宇於崎 宏城(藤枝市立総合病院・消化器科), 渡辺 文利(浜松南病院・消化器病・IBDセンター)
抄録 【はじめに】非切除肝門部胆管癌においては胆管閉塞の多様性や全身状態、併用療法、予後などからドレナージ方法の選択に苦慮することが多い。長期開存期間の得られるmetallic stent(MS)を選択することが多いが、ドレナージ方法も片葉か両葉かと一定の見解は得られていない。【目的】非切除肝門部胆管癌に対して片葉・両葉ドレナージの有効性を後向きに検討する。【対象と方法】1995年2月~2010年12月にMSを留置した肝門部胆管癌28例に対し片葉ドレナージ群16例(A群)と両葉ドレナージ12例(B群)の2群でステントの閉塞率、開存期間、生存期間、閉塞時の対応について検討した。【患者背景】A群:B群 平均年齢(歳)78.1±12.1:76.1±7.9、男/女11/5:5/7、stage別の症例数I、II、III、IVa、IVb、不明の順に(4,2,2,5,1,2):(2,0,1,2,3,4)、Bithmuth分類別の症例数I、II、III、IVの順に(2,3,1,10):(0,2,3,7)、ステントの留置経路経皮、経乳頭の順に(9,7):(10,2)、併用療法は放射線単独、放射線+化学療法、化学療法単独、併用療法なしの順に(5,1,2,8):(2,1,0,9)。Stageのみ有意差を認めた。【結果】A群、B群の順に閉塞率は37.5%、50%。平均開存期間308.9日、710.8日。平均生存期間493.4日、641.1日。いずれも有意差を認めなかった。閉塞時の対応はA群ではすべて内瘻化、B群では75%で内瘻化。【考察】今回の検討では片葉、両葉ドレナージで閉塞率、開存期間、生存期間ともに有意差が認められなかった。閉塞時も内瘻化に成功していることを考えると手技の簡便さから片葉ドレナージで十分であると考えられた。ただし、両葉ドレナージ群の中には複数の枝に胆管炎を起こしており複数留置の必要性のある症例もあり、症例ごとの対応は必要である。【結語】非切除肝門部胆管癌は原則片葉ドレナージで十分と考えるが、さらに症例を蓄積が必要である。
索引用語 胆管ステント, 肝門部胆管癌