セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
胆道-治療3
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タイトル |
消P-488:化学療法施行非切除胆道癌における胆管ステント閉塞の意義
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演者 |
上野 誠(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵)) |
共同演者 |
大川 伸一(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵)), 小林 智(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵)), 安藤 知子(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵)), 亀田 亮(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵)) |
抄録 |
【背景】非切除胆道癌に対し、全身化学療法を行う場合、その抗腫瘍効果の判定には、RECIST基準を用いる。一方で胆道癌は、悪性胆道狭窄を経過中伴うことがしばしばあるが、RECIST基準に胆道狭窄は反映されづらい。特にuncovered metalic stentを挿入した症例では、腫瘍のstent内増殖を来すこともあるが、RECIST上は腫瘍増大を認めず、化学療法レジメンの継続に迷う症例もある。【方法】今回、当院で化学療法施行した胆道癌症例の内、uncovered metalic stentを挿入した症例を抽出し、閉塞率、閉塞時の抗腫瘍効果について検討した。対象は、2007年9月から2010年10月までに切除不能胆道癌として全身化学療法を施行した103例である。そのうち、uncovered metalic stentを挿入した症例は、25例、内訳は以下。癌腫:肝内胆管癌2例、肝外胆管癌12例、胆嚢癌10例、乳頭部癌1例。初回化学療法:塩酸ゲムシタビン(GEM) 19例、S-1 6例。2次治療:S-1 10例、GEM 3例。【結果】化学療法施行中、20例(80%)では、ステント閉塞、黄疸出現を認めなかった。5例(20%)でステント閉塞を認めた。内訳は以下:肝内胆管癌2例、肝外胆管癌2例、胆嚢癌1例。ステント閉塞時化学療法:GEM 2例、S-1 3例。2例は、ステント閉塞時にそれぞれリンパ節転移の増大、腹水出現を認めRECIST上PDと判定し、化学療法レジメン変更を行った。一方、残り3例では、ステント内腫瘍増殖を認めるものの、CT上のRECIST判定で増悪を示唆する所見は認めず、化学療法レジメン変更は行わなかった。その後同化学療法(GEM 1例、S-1 2例)を継続し、3ヶ月以上RECIST基準にて無増悪である。【考察】化学療法施行非切除胆道癌において、治療経過中、uncovered metalic stentの閉塞率は20%と高率ではない。またuncovered metalic stent閉塞例において、RECIST上の増悪を認めない場合には、化学療法レジメンの継続も許容されると考えられる。 |
索引用語 |
胆道癌, 化学療法 |