セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-治療4

タイトル 消P-491:

閉塞性黄疸を伴う胃癌・大腸癌に対する治療戦略

演者 春日 章良(癌研有明病院・消化器センター)
共同演者 行澤 斉悟(癌研有明病院・消化器センター), 石井 浩(癌研有明病院・消化器センター), 倉岡 賢輔(癌研有明病院・消化器センター), 尾阪 将人(癌研有明病院・消化器センター), 松山 眞人(癌研有明病院・消化器センター), 高野 浩一(癌研有明病院・消化器センター), 水沼 信之(癌研有明病院・消化器センター), 星野 恵津夫(癌研有明病院・消化器センター)
抄録 【目的】肝障害の改善は安全な化学療法に必要である。当院では閉塞性黄疸を発症した場合、積極的に経皮的減黄術(PTBD)で減黄し、可能であれば次の化学療法へ移行してきた。胃癌・大腸癌の閉塞性黄疸でPTBDを施行した症例の予後因子を検討する。【方法】2005年3月以降、胃癌・大腸癌による閉塞性黄疸(T-bil≧2.0mg/dlかつ画像上肝内胆管拡張を認める)でPTBDを施行した症例を後方視的に解析する。【成績】対象は92名(胃癌60名・大腸癌32名)で、年齢59.9±11.2、男性64名・女性28名、PS0~1:76名・PS2以上:16名、分化型36名・未分化型56名、chemo-naïve:26名・1st line中:29名・2nd line中:31名・3rd line以降:6名であった。肝転移の状況はH0:47名、H1:9名、H2:14名、H3:22名であった。Chemo naïve症例以外の66名では、1st line導入時からの全生存期間(OS)は、PTBD後化学療法導入可能例(22名):585日、PTBD後化学療法導入困難例(44名):341日(p=0.0084)であった。全症例92例では、PTBD後の生存中央値(MST)は減黄可能例(69名):111日、減黄不可能例(23名):27日(p<0.001)であった。PTBD後減黄可能で化学療法導入可能例(39名)のMSTは224日(p<0.001)、減黄可能であったが化学療法導入不可能例(30名)のMSTは40日、減黄・化学療法導入ともに困難例(23名)のMSTは27日であった。PTBD後の予後不良因子としては、単変量解析ではPS>1(p<0.001)、腹水あり(p=0.0013)、Alb<3.0g/dl(p=0.0018)、肝転移がH3(p=0.0038)、2nd line以降例(p=0.0193)、が有意な因子であり、多変量解析ではPS>1(p<0.001, OR: 4.399)、肝転移がH3(p<0.001, OR:2.939)、未分化型(p=0.003, OR: 2.193)、CA19-9>500 IU/ml(p=0.041, OR: 1.636)が独立した因子であった。【結論】胃癌・大腸癌の閉塞性黄疸は減黄後に化学療法導入出来る症例は予後改善が期待できる。PS不良・腫瘍量が多い症例は予後不良と考えられた。
索引用語 消化管癌, 閉塞性黄疸