セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-治療4

タイトル 消P-493:

総胆管狭窄を合併した胆石胆嚢炎の手術症例の検討

演者 五十嵐 淳(丸の内病院・外科)
共同演者 佐藤 篤(丸の内病院・外科), 山本 香織(丸の内病院・内科), 中村 直(丸の内病院・内科), 石曽根 新八(丸の内病院・外科)
抄録 【目的】最近当科にて総胆管狭窄を伴う胆石胆嚢炎の症例を数例経験した。当院における胆石胆嚢炎の手術症例のうち胆管狭窄を合併していた頻度を調べその特徴、最適なマネージメントについて検討した。【方法】対象は2006年10月から2011年3月までの4年6ヶ月間に当院で胆石胆嚢炎にて手術を施行した37例。術前あるいは術中の画像診断による総胆管(肝管)狭窄の有無、その評価の方法について調べ、その特徴を明らかにする。【成績】手術症例は年齢30歳~84歳で男性15例女性22例。腹腔鏡下手術が24例、開腹手術が13例であった。37例中胆管評価の方法としてERCP、MRCP、DIC-CT、術中胆道造影(以下IOC)のいずれかが行われたのは36例であった。術前に施行した胆管評価はMRCP25例、DIC-CT6例、ERCP4例(内2例はMRCPも施行)であり、いずれも行わなかったものは4例(内3例はIOC施行)であった。術中胆道造影を施行したのは36例中26例(70.3%)であった。36例中術前にいずれかの検査で胆管狭窄が認められたものが4例(11%)あり1例は術後ERCPにて胆管癌、1例はIgG4関連疾患と診断された。残り2例は術後2年8ヶ月が経過しているが胆管疾患を認めておらず胆嚢炎、胆嚢腫大による一時的な狭窄と考えられた。また明らかな胆管狭窄はないが胆管狭窄が疑われたものは4例あり内1例は術後2年2ヶ月後に閉塞性黄疸を発症し胆管癌と診断された。【結論】総胆管(肝管)狭窄は胆嚢炎や胆嚢腫大時はそれによる影響を第1に考えてしまうが胆管自体に疾患が存在する事が意外と高率にみられるので注意深い精査が必要である。
索引用語 胆石胆嚢炎, 胆管狭窄