セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-治療4

タイトル 消P-494:

当院における切除不能胆管癌に対する化学療法の現況

演者 浅木 彰則(国立四国がんセンター・消化器内科)
共同演者 竹治 智(国立四国がんセンター・消化器内科), 西出 憲史(国立四国がんセンター・消化器内科), 松本 俊彦(国立四国がんセンター・消化器内科), 壷内 栄治(国立四国がんセンター・消化器内科), 仁科 智裕(国立四国がんセンター・消化器内科), 堀 伸一郎(国立四国がんセンター・消化器内科), 灘野 成人(国立四国がんセンター・消化器内科), 井口 東郎(国立四国がんセンター・消化器内科)
抄録 【はじめに】切除不能胆管がんに対して2006年にGemcitabin(GEM)が2007年にS1が認可された。その効果は十分ではなく、今後CDDPなどによるさらなる治療効果が期待されている。今回当院における胆管癌治療の現状から今後の期待と問題点について検討した。【対象】2006年から2009年に当院にて切除不能胆管癌と診断し抗癌剤を導入し予後を調査することのできた51例を対象とした。(切除後再発は除く)男性20例、女性31例、年齢の中央値は 71(46-84)歳、肝内胆管癌25例、肝外胆管癌6例、胆嚢癌19例、乳頭部癌1例である。初回治療はGEM 32例、S1 11例、GEM+S1 3例、UFT 1例、肝内胆管癌ではCDDPを肝動注した者が4例あった。治療前のPSは0/1/2 がそれぞれ3/40/6例であった。【結果】予後については全体では生存期間中央値(MST)が185日(41-1487日),1年生存率22%、2年生存率4.7%であった。部位別のMSTは肝内胆管癌149(43-1487)日(n=25)、胆嚢癌182(60-618)日(n=19)、肝外胆管癌332(41-453)日(n=6)、十二指腸乳頭癌 553日(n=1)であった。初回治療法別ではGEM 235(56-1487)日(n=32) 、S1 141(41-695)日(n=11) 、GS 182(149-250)日(n=3) 、UFT 213日(n=1)、CDDP肝動注 231(43-478)日(n=4)であった。2nd lineを行ったものは23例(45%)3rdlineを行ったものは9例(18 %)であった。また、治療前、治療中に減黄術を必要としたものは18/51人(35%)おり、内視鏡的11例、経皮的7例であった。部位別では、肝内胆管癌7/25例(16%)、胆嚢癌7/19例(37%)、肝外胆管癌4/6例(66.7%)、乳頭部癌1/1例(100%)であった。【まとめ】現状では胆管癌に対する化学療法は十分な効果が得られていない。黄疸のため治療の延期、中止が35%にみられ治療を困難にしていると考えられた。肝内胆管癌の症例でCDDP肝動注が奏効しているものありABC-02試験、BT-22試験の結果と併せて、CDDPによる予後延長効果への期待がされるととともに、全身状態を配慮した治療計画が必要と思われた。
索引用語 胆管癌, 化学療法