セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-治療4

タイトル 消P-495:

切除不能胆道癌に対する肝動注化学療法の成績

演者 林 毅(札幌医大・4内科)
共同演者 石渡 裕俊(札幌医大・4内科), 宮西 浩嗣(札幌医大・4内科), 佐藤 勉(札幌医大・4内科), 佐藤 康史(札幌医大・4内科), 小船 雅義(札幌医大・4内科), 滝本 理修(札幌医大・4内科), 加藤 淳二(札幌医大・4内科)
抄録 [背景] 切除不能胆道癌に対してGemcitabine (GEM)+ cisplatinによる全身化学療法が標準治療になりつつあるがその治療成績は十分とはいえない。[目的] 肝動注化学療法を用いる化学療法の第I相試験を行い、maximum tolerated dose (MTD) を決定する。また治療効果、stent開存期間の検討も行う。【試験 A: 5-FU+GEM肝動注化学療法】 [方法 A] 肝以外の遠隔転移がなく、一般に臨床試験の適応となる背景を有する18例で実施した。5-FUはday 1-5,15-19に持続動注、GEMはday 1,15に30分動注で投与し28日間を1コースとした。用量はlevel 1 (3例): 300+600, 2 (6例): 300+800, 3 (3例): 300+1000, 4 (6例): 400+1000 (mg/m2/day)とし、非血液学的毒性のGrade 3以上と血液学的毒性のGrade 4をdose limiting toxicityとして2コース間で記録した。また、閉塞性黄疸および胆管炎症例では全肝がドレナージされるよう狭窄形態に応じて必要となる本数のplastic stent (PS) を留置した。[成績 A] MTD: Level 4、評価可能症例での奏功率: 56.3 (9/16) %、MST: 18.4月、PFS中央値: 6.2月、初回留置PSの開存期間中央値: 5.3月であった。治療によりPSを留置した12例のうち4例 (33.3 %) でstent freeが得られた。【試験 B: S-1+GEM肝動注化学療法】 [方法 B] 肝以外の遠隔転移例も適応とし、15例で実施した。S-1はDay 1-14で経口、GEMはDay 1,8に30分動注で投与し21日間を1コースとした。用量はlevel 1 (6例): 60+1000, 2 (6例): 70+1000, 3 (3例): 80+1000 (mg/m2/day)とした。必要例に応じてPSを留置した。[成績 B] MTD: Level 3、奏功率: 26.7 % (4/15)、MST: 14.4月、PFS中央値: 5.5月、初回留置PSの開存期間中央値: 5.4月であった。 [結論] 両臨床試験でMTDを決定した。治療効果は良好であり第II相試験を実施中である。
索引用語 胆道癌, 動注化学療法