セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-治療4

タイトル 消P-496:

切除不能進行胆道癌に対するCDDP+GEM療法

演者 川上 尚人(近畿大・腫瘍内科)
共同演者 上田 眞也(近畿大・腫瘍内科), 工藤 敏啓(近畿大・腫瘍内科), 岡本 渉(近畿大・腫瘍内科), 中川 和彦(近畿大・腫瘍内科)
抄録 【背景】切除不能進行胆道癌に対する世界的な標準治療は、ABC-02試験の結果を受け、CDDP+GEM療法と考えられている。また日本人を対象とした第2相試験においても同様の有効性と安全性が報告されている。【目的】切除不能進行胆道癌に対するCDDP+GEM療法の有効性と安全性についてretrospectiveに検討する。【対象】2004年8月から2011年3月末まで、当科で一次治療としてCDDP+GEM療法にて加療された切除不能進行胆道癌症例25例。【患者背景】肝外胆管癌 / 肝内胆管癌 / 胆嚢癌 = 9例 / 7例 / 9例であり、年齢の中央値は65歳、男女比は14:11であった。このうち、2008年以前の6例はCDDP一括投与(GEM:1000mg/m2・day1、8投与+CDDP:80mg/m2・day1投与)を用い、2008年以降の19例はABC-02試験に準じてCDDP分割投与(GEM:1000mg/m2・day1、8投与+CDDP:25mg/m2・day1、8投与)を用いた。【結果】2011年3月31日現在、25例中9例が同加療を継続中である。ABC-02試験に準じてCDDP分割投与を行った19例で検討すると、抗腫瘍効果は、PR / SD / PD / NE = 6 (32%) / 8 (42%) / 1 (5%) / 4 (21%) であり、病勢制御率(PR+SD)は75%であった。治療成功期間中央値は262日、全生存期間中央値は362日、観察期間中央値は345日であった(CDDP中止後、GEM単独での治療期間も治療成功期間に含めた)。有害事象のうち、血液毒性は、好中球減少:60%(53%)、白血球減少:60%(47%)、ヘモグロビン低下:87%(27%)、血小板減少:80%(20%)が高頻度に認められた(grade 3/4)。非血液毒性では、倦怠感、食欲不振、便秘などがみられたが、重篤なものではなかった。また治療開始後30日以内の死亡例を認めなかった。【結論】切除不能進行胆道癌に対するCDDP+GEM療法は有効かつ安全なレジメンである。
索引用語 化学療法, CDDP+GEM