セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-症例報告1

タイトル 消P-500:

胆嚢原発の腺内分泌細胞癌の一剖検例

演者 藤井 秀樹(愛生会山科病院)
共同演者 立花 俊治(愛生会山科病院), 高田 久(愛生会山科病院), 関川 修司(愛生会山科病院), 西村 敏(愛生会山科病院), 大西 直樹(愛生会山科病院), 坂本 雅史(愛生会山科病院), 大川原 徹(愛生会山科病院), 西田 康一(愛生会山科病院), 大川原 康夫(愛生会山科病院), 南 祐仁(京都府立医大・消化器内科), 伊藤 義人(京都府立医大・消化器内科), 吉川 敏一(京都府立医大・消化器内科)
抄録 AFPの著明な高値を伴った胆嚢原発の腺内分泌細胞癌の剖検例を報告する。【症例】78歳女性。【現病歴】腹部膨満を主訴に近医受診。多発肝腫瘍精査のために紹介となった。【現症】腹部に弾性硬の肝を5横指。【検査成績】T-Bil 1.4mg/dl,ALP 1150IU/l, GTP 491IU/l, AST 178IU/l, ALT 32IU/l, LDH 964IU/l, HBs抗原 陰性, HCV抗体 陰性, CEA 12.8ng/ml, CA19-9 304U/ml, AFP 157428ng/ml, PIVKA-2 149mAU/ml, AFPL3分画 69.4%と著明なAFP上昇を認めた。【画像所見】USではS6からS4、左葉にかけてやや低エコーで内部不均一な腫瘍を認めた。dynamicCTでは同部位に多発の塊状腫瘍、肝門部リンパ節腫大、胆石を認めた。肝内の腫瘍は動脈相で腫瘍辺縁が濃染し平衡相にかけて内部が遅延性に染まった。【経過】腫瘍生検で低分化な肝内胆管癌が疑われた。動注を施行するも肝不全が進行して入院45日目に死亡した。剖検では肝内はほぼ全体が腫瘍に置換され、胆嚢底部に原発巣を認めた。組織学的には 胆嚢、肝内に壊死傾向が強いクロマチンの豊富な核を有する小円型の腫瘍細胞が充実性に増殖していた。肝臓に直接浸潤はなく、脈管侵襲からの転移が疑われた。Chromogranin,synaptophysin,AFPが部分的に陽性であった。胆嚢原発の腺内分泌細胞癌は稀な疾患でAFP高値を呈した症例はなく貴重な症例と思われたため報告する。
索引用語 胆嚢癌, AFP