セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-症例報告1

タイトル 消P-501:

若年で胆嚢癌を合併したPeutz-Jeghers syndrome の一例

演者 圷 大輔(筑波大・消化器内科)
共同演者 石毛 和紀(筑波大・消化器内科), 菅谷 明徳(筑波大・消化器内科), 村下 徹也(筑波大・消化器内科), 山田 武史(筑波大・消化器内科), 山本 祥之(筑波大・消化器内科), 松田 健二(筑波大・消化器内科), 日下部 涼子(筑波大・消化器内科), 福田 邦明(筑波大・消化器内科), 安部井 誠人(筑波大・消化器内科), 溝上 祐士(筑波大・消化器内科), 兵頭 一之介(筑波大・消化器内科)
抄録 【背景】Peutz-Jeghers syndrome(以下PJS)は消化管の過誤腫性ポリープの多発と皮膚,粘膜の色素沈着を特徴とする常染色体優勢遺伝性疾患である.消化管癌などの悪性腫瘍の合併が高いとされるが,胆嚢癌の合併の報告は非常に少ない.今回,総胆管結石,胆嚢結石加療目的に来院した,胆嚢癌合併PJSの一例を経験したので報告する.【症例】32歳,男性.PJSで前医加療中,発熱と心窩部痛が出現し,当院に紹介入院した.血液検査上,WBC 17200 /μl,CRP 13.75 mg/dl,LDH 254 U/l,γ-GT 621 U/l,ALP 604 U/l,T-Bil 4.4 mg/dlと炎症反応の上昇および黄疸,胆道系酵素の上昇を認めた.CT上,胆嚢内に21mm大の結石,総胆管内には13mm大の結石と小結石を多数認めた.以上所見より,急性閉塞性化膿性胆管炎と診断し,内視鏡的胆道ドレナージを行った後,内視鏡的乳頭括約筋切開術・内視鏡的乳頭バルーン拡張術により,総胆管結石を除去した.さらに胆嚢結石に対して胆嚢摘出術を施行した.術前の画像診断では胆嚢壁の肥厚を認めるものの,悪性腫瘍を積極的に疑う所見に乏しく,また腫瘍マーカーの上昇も見られなかったが,切除胆嚢には4.5x4.0x2.2cmの結節浸潤型の灰白色充実性腫瘤を認め,病理組織検査では胆嚢底部から体部にかけて増殖する中分化管状腺癌であった.一方,切除胆嚢内にはpolypoid lesionは認めなかった.【考察】PJSは若年での悪性腫瘍の発症が多く,消化管癌の他,膵臓癌が多いとされているが,PJSに胆嚢癌を合併した例は自検例を含め4例と非常に稀であり,さらに胆嚢内にpolypoid lesionを認めない胆嚢癌合併例は自検例のみであった.【結語】PJSに胆嚢癌を合併した稀少な症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 Peutz-Jeghers syndrome, 胆嚢癌