セッション情報 |
パネルディスカッション4(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器がん検診学会合同)
膵癌早期発見に向けた取組み
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タイトル |
消PD4-11:膵管内乳頭粘液性腫瘍の術前診断におけるセルブロック細胞診の有用性
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演者 |
門前 正憲(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科) |
共同演者 |
清水 京子(東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科), 古川 徹(東京女子医大統合医科学研究所) |
抄録 |
【背景と目的】膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は悪性化リスクが高く、腺腫(IPMA)と腺癌(IPMC)の鑑別が重要で、細胞の異型度や悪性化リスクの高いものは膵切除術の適応となる。セルブロック細胞診は組織形態が保持され形態学的検討、粘液ムコ多糖蛋白(MUC)染色、P53発現などの評価が可能である。本研究ではERCP下に採取した膵液のセルブロック細胞診によるIPMNの悪性度診断の精度について検討した。【方法】2010年7月~ 2011年12月までにERP時に採取した膵液について、セルブロックによるHE染色とMUC染色を施行した症例で、外科的切除が行われた16例を対象とした。手術適応はIPMN/MCN診療ガイドラインに基づいて、1:嚢胞径30mm以上、2:壁在結節、3:主膵管径7mm以上の拡張、4:主膵管内隆起性病変、5:経時的変化あり、6:パパニコロー細胞診陽性の6項目のうち、1項目以上を満たすものとし、診断精度を検討した。【結果】16例中4例が主膵管型IPMN(IPMA 2例、IPMC 2例)、12例が分枝型IPMN(IPMA 6例、IPMC 6例)であった。セルブロック診断では、8例のIPMC中6例がhigh-grade dysplasia、IPMAの全例がlow-grade dysplasiaであった。セルブロック診断によるIPMNの悪性診断は感度75%、特異度100%、正診率87.5%、陽性適中率100%、陰性適中率80%と良好であった。パパニコロー細胞診陽性はIPMC 8例中3例であった。セルブロック診断によるIPMNの亜分類は主膵管型IPMNでgastric type 2例、intestinal type 2例、分枝型IPMNではgastric type 8例、intestinal type 1例、oncocytic type 1例で、これらの結果は手術標本と一致した。 【結語】膵液のセルブロック細胞診は、IPMNの悪性度診断、手術適応の決定に有用であると思われる。 |
索引用語 |
IPMN, 細胞診 |