セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-症例報告1

タイトル 消P-504:

総胆管切石後に判明した肝外胆管癌の2例

演者 杉山 誠治(木沢記念病院・外科)
共同演者 堀田 亮輔(木沢記念病院・外科), 山本 淳史(木沢記念病院・外科), 吉田 直優(木沢記念病院・外科), 伊藤 由裕(木沢記念病院・外科), 尾関 豊(木沢記念病院・外科), 杉山 宏(木沢記念病院・消化器科), 松永 研吾(木沢記念病院・病理診断科)
抄録 はじめに:肝内結石と肝内胆管癌の合併はよく知られているが、総胆管結石と肝外胆管癌の関係は不明である。今回、総胆管結石後に判明した胆管癌の症例を2例経験したので報告する。症例1:81歳女性。2009年9月、近医の血液検査で肝逸脱酵素の上昇を指摘され、当院消化器科を受診した。総胆管結石を認め、EST施行し、結石除去を行った。その後12月にも再度結石を認め、結石除去を行った。2010年2月に、発熱、黄疸を主訴に当院消化器内科に入院した。胆管造影で欠損像があり、生検にて胆管癌を認めたため、手術目的で外科転科となった。手術は、中下部胆管癌に対して幽門輪温存膵頭十二指腸切除+肝門部胆管切除を行った。切除標本の病理所見は、BmisC, tub2, ss~se, med, INFβ, ly1, v1, pn2, pHinf0, pGinf0, pPanc1b, pDu0, pPV0, pA0, pN1, pHM1, pEM0,pT3 pN1 stageIIIであった。術後経過良好で、術後第28病日に退院した。症例2:79歳男性。2010年10月、近医の血液検査で直接ビリルビンの上昇と肝胆道系酵素の上昇を指摘され、当院消化器科を受診した。総胆管結石を認め、EST施行し、結石除去を行った。その後、胆管造影で、欠損像があったため、同部位から生検を行った。生検では、dysplasia程度の異型を認めるものの明らかな悪性像は確認できなかったため、再度生検を行った。再検にても、明らかな悪性像は認めなかったが、CT、MRI、PETにて胆管癌が疑われたため、手術目的で外科転科となった。手術は亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を行った。切除標本の病理所見は、Bm, tub1, fm, med, INFα, ly0, v0, pn0, pHinf0, pGinf0, pPanc0, pDu0, pHM0, pEM0,pT1 pN0 stageIであった。術後経過良好で、術後第17病日に退院した。結語:総胆管切石後に明らかとなった肝外胆管癌の2例を報告した。総胆管結石と癌との因果関係は不明であるが、総胆管切石後には癌の合併を念頭に置いた注意深い観察が必要と考えられた。
索引用語 総胆管切石後, 肝外胆管癌