セッション情報 一般演題

タイトル O-003:

EUS-FNAで診断し得た食道原発gastrointestinal stromal tumor(GIST)の1例

演者 古谷 英行(東京慈恵会医科大学 青戸病院 消化器・肝臓内科)
共同演者 北原 拓也(東京慈恵会医科大学 青戸病院 消化器・肝臓内科), 吉澤 海(東京慈恵会医科大学 青戸病院 消化器・肝臓内科), 安部 宏(東京慈恵会医科大学 青戸病院 消化器・肝臓内科), 会澤 亮一(東京慈恵会医科大学 青戸病院 消化器・肝臓内科), 宮川 佳也(東京慈恵会医科大学 青戸病院 消化器・肝臓内科), 松岡 美佳(東京慈恵会医科大学 青戸病院 消化器・肝臓内科), 相澤 良夫(東京慈恵会医科大学 青戸病院 消化器・肝臓内科), 田尻 久雄(東京慈恵会医科大学 青戸病院 消化器・肝臓内科), 酒田 昭彦(東京慈恵会医科大学 青戸病院 病理部)
抄録 症例は74歳の男性.近医で施行された上部消化管内視鏡検査にて食道に腫瘍性病変を認めたため精査目的で当院紹介受診となった.当院での上部消化管内視鏡検査では切歯から40cmの胸部下部食道に長径30mm、1/3周性、結節分葉状の粘膜下腫瘍を認めた.表面は平滑でびらんや潰瘍を認めず、ルゴール散布による不染帯は見られなかった。胸部CT検査で内部に低吸収域を有する充実性腫瘍であった.超音波内視鏡検査(EUS)では固有筋層に連続した25.5mm大の境界明瞭な低エコー性腫瘍で、内部は等エコーを呈していた.同部位より細針吸引細胞診(EUS-FNA)を施行したところ、紡錘型で索状配列を示す腫瘍細胞で、免疫染色にてc-kit、CD34陽性、Desmin、S-100、α-SMA陰性であり、GISTと診断した.消化管GIST は(1)3cm以上、(2)結節分葉状、(3)内部エコー不均一、(4)無エコー域、(5)潰瘍の5つのmalignant signのうち3つ以上有するものは悪性を疑い手術を施行すべきであると考えられている。本症例は結節分葉状で内部エコー不均一であるが、75歳と高齢であることより、現在慎重に経過観察中である.食道原発GISTは全GISTの2%未満であり、本邦における食道GISTの報告例は非常に稀であるため文献的考察を加えて報告する.
索引用語 食道GIST, EUS-FNA