セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-063:内視鏡でRC signを直接観察し、手術により加療しえた空腸静脈瘤破裂の一例 |
演者 | 池田 篤史(土浦協同病院 消化器内科) |
共同演者 | 永山 和宜(土浦協同病院 消化器内科), 坂本 琢(土浦協同病院 消化器内科), 伊藤 祐子(土浦協同病院 消化器内科), 油井 史郎(土浦協同病院 消化器内科), 市田 崇(土浦協同病院 消化器内科), 松本 浩之(土浦協同病院 消化器内科), 幾世橋 佳(土浦協同病院 消化器内科), 望月 奈穂子(土浦協同病院 消化器内科), 玄 世鋒(土浦協同病院 消化器内科), 深澤 光晴(土浦協同病院 消化器内科), 草野 史彦(土浦協同病院 消化器内科), 酒井 義法(土浦協同病院 消化器内科), 田沢 潤一(土浦協同病院 消化器内科), 伊東 浩次(土浦協同病院 外科), 春木 茂男(土浦協同病院 外科), 平沼 進(土浦協同病院 外科), 渡辺 守(東京医科歯科大学 消化器病態学) |
抄録 | 【緒言】門脈圧亢進症において、時に食道胃静脈瘤以外のいわゆる異所性静脈瘤が形成されることがあり、しばしば診断と治療に難渋する。今回我々は、内視鏡的にRC signを伴う空腸静脈瘤を観察し治療した症例を経験したので報告する。【症例】常習飲酒家である肝炎ウイルス陰性の59歳初診男性。吐血とタール便を主訴に受診した。食道胃静脈瘤は認めず、上下部緊急内視鏡とも出血源を特定できず、ショックを伴った貧血が進行した。第3病日に施行した腹部造影CTならびに血管造影によりTreitz靭帯近傍に静脈瘤の存在が疑われた。このためPCFを使用して観察したところTreitz靭帯の遠位空腸にF3相当の静脈瘤を認め、赤色栓を伴っていたため、これが出血源と判断して全身状態がやや回復した第11病日、外科的に静脈瘤の結紮および血行郭清を施行した。術後再出血や肝性脳症などの合併症を認めず通院中である。【考察】小腸内視鏡の普及に伴い、今後、小腸に形成される静脈瘤の内視鏡像に関する記載が増加するものと思われるが、全小腸を観察することは依然として必ずしも容易ではなく、CTや血管造影など、種々の検査手法を組み合わせて病的意義を検討することの重要性は変わらないものと推測される。出血源となる小腸静脈瘤の内視鏡所見と、適切な時期に手術を行うことの重要性に関して、示唆に富む症例と考えられる。 |
索引用語 | 空腸静脈瘤, 小腸内視鏡 |