セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道-症例報告2

タイトル 消P-509:

胆管炎を契機に早期発見された胆嚢管癌(胆管内乳頭状腫瘍)の1症例

演者 宮下 耕一郎(昭和大横浜市北部病院・内科)
共同演者 嶋田 顕(昭和大横浜市北部病院・内科), 三代川 章雄(昭和大横浜市北部病院・内科), 戸嶋 洋和(昭和大横浜市北部病院・内科), 齋藤 佑介(昭和大横浜市北部病院・内科), 小林 功治(昭和大横浜市北部病院・内科), 土屋 静馬(昭和大横浜市北部病院・内科), 大野 恭史(昭和大横浜市北部病院・内科), 滝西 安隆(昭和大横浜市北部病院・内科), 山本 泰漢(昭和大横浜市北部病院・内科), 伊東 友弘(昭和大横浜市北部病院・内科), 衣笠 えり子(昭和大横浜市北部病院・内科)
抄録 【症例】68歳男性【主訴】背部痛【現病歴】平成22年12月、突然の背部痛を主訴に当科受診したところ、T-Bil 1.6mg/dl、D-Bil 1.0mg/dl、GOT 705U/l、GPT409U/l、ALP1213U/lと肝機能障害を認めた。腹部超音波にて肝内・肝外胆管の拡張を認め、閉塞性黄疸と診断し、精査入院となった。【経過】MRCP上、下部総胆管内に低信号域と、その直上にfluid levelを認め、総胆管結石、胆泥と診断し、胆管炎も併発していた為、同日、内視鏡的乳頭切開術、胆道砕石術を施行した。胆泥、微小混合結石の排石を認めたが、胆管造影中に胆嚢の描出が無く、三管合流部に胆嚢管から総胆管内に突出する小隆起性病変を認めた。胆嚢管へのカニュレーションが困難であったため、一旦終了となった。DIC-CTでは、胆嚢の描出は不良であった。細胞診も含め、再度、ERCPを行ったところ、三管合流部と思われる部位に右側から総胆管内へ突出する病変を認め、IDUSでは、胆嚢管から中部胆管への浸潤を認め、中部胆管の2/3を占拠していた。同部位のブラシ細胞診からadenocarcinomaを認め、胆管癌(T2N2M0:stageIII)と診断し、平成23年2月、当院消化器外科にて亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行となった。術後病理診断は、minimally invasive adenocarcinoma with a predominant intraductal component ,int, INFβ,ly0,v0,pn0,m,pGinf0,pPanc0,pDu0,pT1,pN0,切除断端も全て陰性であった。組織は胆管内乳頭状腫瘍に類似のタイプであった。【結語】胆管炎を来す総胆管結石への胆道砕石術は、今日では一般的な内視鏡治療となっている。今回、十分な胆道の観察により、胆嚢管癌を比較的早期に発見することができた。また、現在、組織免疫染色中ではあるが、胆管内乳頭状腫瘍を強く疑う病理所見であった。近年、胆管内乳頭状腫瘍に対する概念も論議されてきている。本会では免疫染色検査と、文献的考察も含めて報告する。
索引用語 胆嚢管癌, 胆管炎