セッション情報 |
パネルディスカッション4(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器がん検診学会合同)
膵癌早期発見に向けた取組み
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タイトル |
消PD4-12追:唾液による膵癌診断法の開発
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演者 |
梅田 純子(東京医大病院・消化器内科) |
共同演者 |
糸井 隆夫(東京医大病院・消化器内科), 砂村 眞琴(東京医大八王子医療センター・消化器外科・移植外科) |
抄録 |
【目的】膵癌は早期発見が困難な癌であるため、低侵襲かつ簡便で、安価なスクリーニング法の確立が必要である。我々は代謝物と呼ばれる低分子を網羅的に測定するメタボローム解析技術を用い、唾液を用いた膵癌診断法を開発した。【方法】健常者(N=10)、慢性膵炎(12)、IPMN(1)、膵癌(45)の唾液中代謝物をCE-TOFMS(キャピラリー電気泳動・飛行時間型質量分析装置)を用い網羅的に解析した。切除術施行6症例の唾液も採取し術前後の変化を比較した。同一患者から血清も採取し、同様にメタボローム解析を実施した。【結果】CE-TOFMSにより唾液中の288代謝物を同定・定量した。膵癌症例の唾液中で健常者に比し顕著に濃度が上昇する代謝物が存在した(図)。主成分分析したところ、健常者と膵癌では主成分で有意差が得られた(P=0.0111)。また術後、健常者のパターンに近づくことも確認できた。血清でも主成分に有意差が確認できた(P=0.0010)。複数の代謝物を組み合わせたロジスティック回帰分析で、ROC曲線以下の面積が0.87(唾液)と0.89(血清)の精度で膵癌症例を健常者と慢性膵炎から見分けることが可能であった。【結語】唾液を用い膵癌に特徴的なバイオマーカーを同定した。症例を増やし感度と特異度の検証を行っている。 |
索引用語 |
メタボローム解析, 膵癌早期診断 |