セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-基礎1

タイトル 消P-516:

膵疾患(慢性膵炎、膵癌)患者におけるアミノ酸代謝異常

演者 川口 義明(東海大)
共同演者 小川 真実(東海大), 内田 哲史(東海大), 伊藤 裕幸(東海大), 峯 徹哉(東海大)
抄録 【背景】肝不全患者におけるアミノ酸代謝異常は広く知られているが、癌やメタボリックシンドローム、腎疾患などでもアミノ酸血中濃度パターンが変化している可能性が指摘されている。【目的】吸収不良や炎症に関与している膵疾患(慢性膵炎、膵癌)患者におけるアミノ酸血中濃度パターンに関して検討する。【対象と方法】膵石、膵管狭窄病変を有し内視鏡的治療を施行した慢性膵炎患者11例[平均年齢62.5歳、男女比9:2、平均BMI 20.5、平均アルブミン値3.6g/dl(基準値3.9-4.8)、8例は膵管ステント留置中]と主膵管拡張を伴った膵頭体部癌患者12例(平均年齢70.0歳、男女比6:6、平均BMI 21.2、平均アルブミン値3.6g/dl、いずれもStage4症例で化学療法施行中)を対象とし、アミノ酸血中濃度パターンの分析を施行した。【結果】血中総アミノ酸濃度(基準値2068.2-3510.3)は、慢性膵炎患者で2612.7μmol/L、膵癌患者で2592.7μmol/Lであった。アミノ酸血中濃度パターンの分析では、基準値との比較で、慢性膵炎患者でアスパラギン酸(2.6μmol/L)、システイン(50.0μmol/L)、3-メチルヒスチジン(7.6μmol/L)が増加、アスパラギン(43.2μmol/L)が減少、膵癌患者で、アスパラギン酸(2.5μmol/L)、ヒドロキシプロリン(35.9μmol/L)、3-メチルヒスチジン(5.6μmol/L)が増加、アスパラギン(40.0μmol/L)が減少している傾向が認められた。【結論】慢性膵炎患者、膵癌患者ともに、血中アミノ酸パターンに変化が認められ、疾患に特異的なアミノ酸の増加、減少の可能性が示唆された。
索引用語 アミノ酸代謝, 膵疾患