セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓-診断・急性膵炎 |
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タイトル | 消P-523:ERCP後膵炎予防における膵管ステントの有用性の検討 |
演者 | 長 竜彦(東京北社会保険病院・消化器内科) |
共同演者 | 三澤 綾子(東京北社会保険病院・消化器内科), 吉田 見紀(東京北社会保険病院・消化器内科), 小澤 達雄(東京北社会保険病院・消化器内科), 青柳 有司(東京北社会保険病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】ERCP後膵炎の予防に対して膵管ステントの有用性が報告されているが、効果については不明の点が多い。今回我々はERCP後膵炎に対しての膵管ステント留置の有用性について検討した。 【方法】膵管ステント留置を導入した2008年7月から2011年2月までに当院でERCPを施行した322症例を膵管ステント留置群51例(男性26例、女性25例、平均66.9歳)、膵管ステント未留置群(男性153例、女性111例、平均73.9歳)に分け、血清アミラーゼの施行前の値・施行翌日の値、ERCP後膵炎の発症につき検討した。 【成績】膵管ステント留置群ではアミラーゼ前値平均124.8mg/dl、アミラーゼ後値平均547.2mg/dlで膵炎発症は51例中12例(23.5%)に認められた。膵管ステント未留置群ではアミラーゼ前値平均90.0mg/dl、アミラーゼ後値平均268.6mg/dlで膵炎発症は271例中16例(5.9%)に認められた。アミラーゼ後値(p=0.0007)・膵炎発症率(p=0.0003)共に有意に膵管ステント留置群で高値であった。アミラーゼ前値には両群で有意差は見られなかった。 【結論】膵管ステント留置群では膵炎発症率は有意に高率であったが、膵管ステント留置は胆管選択困難例、膵管造影頻回例など膵炎発症リスクの高い症例に施行されていることが多く、膵管ステント留置が膵炎を惹起するとは断言できないと思われる。ただし、膵管ステントを留置するための膵管へのアプローチが膵炎発症リスクを高めている可能性も考えられる。 |
索引用語 | ERCP後膵炎, 膵管ステント |